第十九話「秘密」

 もう、やめよう。これ以上隠すのは……。

 

「隼人、みどり……。今まで言ってなかったけど僕は魔法の使い方に関する記憶を失っていた」


 僕の秘密を今、話したのは二人に対して心を許してもいいと思ったからだ。


 確かに石墨の暴力について気になるところはあるが、彼にも僕と同じで秘密はある。


「恐らく、僕は魔法を使うと何かの記憶が無くなるんだと思う。魔法熱は、そのせいだ」


「私、おかしいと思ってたんだ。だって、試合で魔法を使おうとしてなかったし」


「記憶が無いのに、よく魔法使いの部活に入ろうと思ったな……。まあ、でも俺はお前が部活に入ってくれたこと、間違ってないと思うぜ」


「あ、ごめん。話がそれたけど、その魅了について教えてくれるか」


 こんな、話をするなんて僕もどうかしている。


「じゃあ、本題に移ろうか。まず、お前に魔法をかけた人物だが、琴吹ことぶき瑠花るかという。彼女は無意識に精神に干渉してくるんだ」

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