第三話「夜の部」
教師は、通路を進んだ先で一つの扉の前に立つ。
「ようこそ。夜の部へ」
扉を開けると、木製のテーブルがいくつも並ぶ、広い部屋が広がっていた。オカルトじみた部活の名前とは一見して関連性がない。
「ここはかつて理科実験室として使われていたんだが、今は多少内装を変えて使っている。だが、ここは荷物置き場ぐらいにしか使わん。適当に使っていいぞ。まあ座れ。早速本題に入ろう。」
不安は以前にも増していたが、椅子に腰掛ける。いったい、何をするのか。
「まず、部活だが、夜というのはただそれっぽい名前にしたかったから付けた。だから予想は難しいと思うが、なんだと思う?」
「……天体観測じゃなさそうですね」
「はははっ!そんな訳がないだろっ」
自分で振っておいて、笑いすぎの教師に戸惑いながらも、切り返す。
「で、なんなんですか。その夜の部っていうのは……」
「君にお似合いの魔法使いの部だよ。」
さっきの雰囲気とは違う、どこか悪女のような笑みを浮かべ、僕を見てくる。
「君のように力を隠している生徒がこの学校にはたくさん居る。さっき君を連れて来てくれた石墨君も魔法使いだよ。いったいどうしてこんなにも魔法使いの子供達というのは力を隠したがるのだろうね」
「当たり前ですよ。そんな事をしたら最後、普通じゃ居られなくなるじゃないですか」
「君が言う普通がここでは少し違うんだよ。君達が戦う姿を見て楽しむ人が居るんだ。そして君達には賞金が出る。だから自ら進んで申し出るタイプの人もいるんだよ?そんな千載一遇のチャンスを君はどう生かすのかな?まあ今日は無いから帰って休みなさい」
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