鈴麗GALsBOUT―RGB FAINAL BOUT

天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀)

第1話 ジェネシス現る!!

 会場全体が熱気を帯び喝采に包まれる。


《神楽選手、意識消失により試合続行は不可!!これにてミス・ジェネシスの優勝者は鈴麗!!鈴麗選手に定まりました!!!!》



モニターが突如として別の映像へと切り替わる。

「し…小鈴!!」

そこにはウチの弟。小鈴の姿が映し出されていた。

「小鈴ーッ」思わず呼びかけるも返答がない。何やらその様子も変だ。目が生気を宿していない。


 と、背景の黒塗りが実は衣服であることがカメラのズームアウトにより判明した。

仮面をつけた不審な人物。声帯も変調させているらしく、くぐもった低音ボイスが画面から伝播する。


 ≪ジェネ・バトル優勝おめでとう。鈴麗選手。コレで貴重な格闘サンプルは全て頂いた。つきましては

私の最高作。小鈴と対戦してもらおう。

EXTRA STAGEだ≫

「貴様は…ジェネシスか!」

≪いかにも。この大会の主催者そして

全ての起源を司る者。君たちニュー世代の時代は終わりを迎えることとなる。オールド世代の復興だ。世界は…反転する≫

「な、なにを言ってるんだ?」

神楽の目が薄く開いてゆく。どうやら意識を

取り戻したらしい。モニターに気づいた神楽が訴えかけるような眼差しを向ける。

「ジェ…ジェネシス様ーッ!!」

≪フン。神楽よ…一番格闘センスに優れていたお前が敗けるとはな。残念だ。

しかし小鈴を洗脳するのにお前の陰陽術は

十分利用価値があった。もう用はない、負け犬はとっとと立ちされ≫

「そ…そんな…ボク…ボクは」

肩が小刻みに震えている。震えが止まらず

痙攣発作を起こす神楽に救急班が近づき、

担架に運びこまれる。


「兄弟対決は、一ヶ月後に行うこととする」

「小鈴を返せ」

「勝てたらな。その可能性はないが」

「返してもらうだけじゃねえ!!!!ジェネシス!ウチと勝負しろ!!!!」

「私も武闘家。よかろう、受けてたつよ」

「逃げんじゃねえぞ!!」


映像はブツッと無機質な音を奏で消えた。

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