異世界では無職が最強です。

異世界では無職が最強です。

ここは、ムショク王国。スキル？そんなもん関係ねぇ。無職こそが最強なのだ。

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お兄ちゃーん。

妹か？なんだこんな朝早くから……っておい、俺の上に乗ってんじゃねーよ。

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この世界では生まれながらにして職業が設定される。最初の職業は決まっている。ヒーラーである。

生まれた瞬間からヒーラーとしてのスキルがなぜか使える。というか、使わされる。

だいたい１５才くらいまではヒーラーとして過ごし、いろいろジョブチェンジをして最終的には無職を目指すのだ。

え、なんで無職を目指すのかって？それが最強だから。

そもそも職業って何だ？専門的なスキルをもつ者が、その専門的スキルを使って他者を一時的に幸せにするかもしれない。でも、その職業が成立するということは、また不幸になってもらわないと困るということ。幸せな人が不幸になっていく根本の原因から目を背けて、一時的な幸福を与えることに専念することを強制される。それが職業。

ヒーラーなんて簡単にやめられるじゃんだって？謎の力があって、ケガ人が近くにいると強制的に回復魔法を使わされるんだ。しかも、経験値が貯まれば貯まるほど、魔力は強まっていって、魔力が強い状態で無職になると反動があるんだ。

無職はスキルがなくなって雑魚なんじゃないかって？一つ言い忘れていたようだな。無職にしかない特別な力はある。他のどの職業よりも最強の力があるから、他は失っても問題ない。

え、早く教えろって？まあ、ちょっと待てって。

今日から晴れて無職になった俺様が実演してやるからよ。

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お兄ちゃーん。

妹か？なんだこんな朝早くから……っておい、俺の上に乗ってんじゃねーよ。

目をこする俺。妹はなぜか下着姿。あわてて、ベッドから降りようとする俺。

うっ……！？

バランスを崩し、なにやら柔らかい感触を顔全体で感じる俺。

お兄ちゃんのバカーっ！！

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なんだこのテンプレは？と、感じたところだろう。だが、これをバカにしちゃいけない。そう、これが無職を最強にする力。妄想力というものだ。

この世界における妄想力は普通の妄想とちょっと違う。妄想力は世界の物理法則に干渉できる。想像したことが現実に体感できる。

ちなみにさっき出てきた妹はすでに妊娠して明日、出産することが俺の妄想力により事実になった。

いや、まてよ？今すぐ出産してもらって、幸せな家庭を想像したいぞ。よし、うへへ。（俺氏、妄想力発動中……）子供を優しく撫でる妹。それをみて、笑顔な俺。最高だな。

こんな日々が一生続きますように……って、一生続くことは妄想力により事実なんだったな。

やっぱり、無職は最強だぜ！！！