完璧主義者の初体験

shin

第1話 計画立案

 ランチまで、あと一時間かぁ


 誰か、一緒にランチ行かないかな~


「あっ、美樹ちゃん、今日ランチでもどう?」


「ごめんなさい。今日は先約があって。」


「いいよ、いいよ、また今度行こう。」


 美樹ちゃんは、ダメだったか~


 でも、まだ他にも人は居るしね。


 そうだ、田中くんはどうだろ。


「田中くん、今日ランチでもどう。」


「すまん。」


「今から出張で、新幹線乗らないといけないんだよ。」


「そうなんだ。頑張って!」


「お土産よろしく~」


「わかった、わかった。」


 う~ん誰も居ない。


 あれから色んな人に聞いたけど、誰も行ける人が居ないな。


 どうしたものか。


 おひとりさまか。。。


 悩むところだ。。


 何を隠そう、俺は仕事は完璧で、毎月営業成績はトップ。


 女にはモテモテだが。


 そんな俺でも、


 ひとつだけ、出来ない事がある。


 それは、『おひとりさま』


 昨今、『ひとりのグルメ』や『ソロキャン、食って寝る』


 みたいなおひとりさまのドラマが流行っているが、


 俺は、、、


 だめだ。。。


 ひとりで、どうしろっていうんだ!!!


 ひとりでは、動揺してしまうじゃないか!!!


 いつものランチは、コンビニか誰かを誘って、


 ひとりをなんとか防いでいるが、


 それもそろそろ卒業しないと、という気持ちはある。


 よし!


 決めた!


 行ってやる。


 行ってやるぞ~!!!!!!


 ひとり飯!!


 おひとりさまで、大いに結構!!


 たかが、ひとりで飯を食うだけじゃないか!!!


 よし、まずはなにから始めるべきか。


 そうだな、


 まず、何を食べようか。


 中華料理はどうだろう。


 あの、大きな交差点の角にある店はどうだろうか。


 確かに、ラーメンはいまいちだけど


 あそこのチャーハンは最高だ!


 そして、でっかい餃子は、チャーハンとも相性バッチりだしな。


 ん⁉


 でも、待てよ


 あそこは、カウンター席は無かったはず、、、


 それは、食べにくいじゃねーか。


 もし誰かに、


「なにあの人。ひとりだよ。」


「ともだち居ないのかな~」


 なんて思われたらどうするよ。


 それは、嫌だ何としても避けなければ!


 カウンターもあって


 ひとりで食べても違和感がない店か。。。


 牛丼はどうだろう。


 って、おい!


 そんなありきたりな。


 確かに、牛丼の店は逆にファミリーであれば目立つから


 ひとりは普通だ。


 だけど、そんなハードルを落として良いのか!


 俺の初体験だぞ!


 う~ん。。。


 そうだ、


 駅の前のカジュアルなレストランはどうだろう。


 あそこなら窓際にカウンターがあったはず。


 なにより


 あそこのハンバーグランチは美味い!


 よし!


 決めたぞ~!

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