第27話

帰ってこないこと

連絡がとれないこと

話ができないこと

子供のことも何も気にしないこと…

いろいろなことに毎日悲しくて

でもイライラして

また反省して…

そんな毎日だったのに


レンに別れたいと言われ

私はイライラしていたこと全て忘れて

全て自分が悪かったと思った


辛いながら子育ても家事も全部1人でやってきたけど

レンがいるっていうだけでも

その存在は大きかった






いい妻でありたかった

いい母でありたかった


でもいい妻にはなれなかった

子供たちからお父さんを奪った私は

いい母にもなれなかった


いつか2人でご飯に行くことも

5人家族で旅行に行くことも

すぐ叶う未来だと思っていた

楽しみにしていたのに

こんなことならもっと早くしとけばよかった


レンとずっと一緒にいたかった

一緒にご飯を食べてお風呂に入って

子供たちと寝る…

そんな普通の生活がしたかった

私、こんなんだったけど

何か1つくらいいい思い出あった?

何か覚えてることあった?

家族を教えてあげたいなんて

おこがましかった


レンの冷たい顔と

冷たい声が頭からはなれない

何をしていても泣ける

ずっと後悔ばかりが浮かぶ

やりたかったこと、叶えたかったこと

やってあげたかったこと…


ご飯を食べる意味も分からなくて

実際ほとんど食べれないままだった

寝るのも怖くて睡眠障害のようになり

何もできない

自分の存在意味が皆無に思えた


子供たちに笑ってあげれない

泣いてばかりだ


❝お父さんともう一緒にいられなくなった❞

❝ママのせいでごめんね❞


泣きながら子供たちに話した

どこまで理解できたのかは分からないが


初めてママが大号泣する姿をみて

かけるは

❝大丈夫やし!❞って何もない素振りをした

ももなは

❝ももなはいーよ!ママ泣かんといて❞って

一緒に大号泣した

しゅうは

ティッシュを沢山持ってきてくれた


子供たちがいてくれることに救われた

何もしたくなくても泣いてても

容赦なく子供たちの生活はある



❝3人のことはママが何があっても守ってあげる❞

❝ママのことはお父さんが守ってくれるよ❞


ってよく話してた


何があってもわたしは子供たちを守る!変わりはない

でも私は?

そんな弱い心でいっぱいだ

しょーもな!って思うのに

こんなに泣くことしかできないなんて…





それからレンは家に全く帰ってこなかった

でもまだ何の話し合いもしていない

私は自分がもう少し落ち着いて

話ができるようになるまで

私からは何も連絡しないでいようと思っていた





でもたったの1週間後…

レンが帰ってこないことに

少しずつ慣れてきた頃…

早くもレンが家にいた





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