表と裏

宵闇(ヨイヤミ)

第1話

これは、ただの伝えられない言葉であり、本人に伝えたいと、ほんの少しだけ、心のどこかで思ってしまったことである。




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酷くも愛おしいと思える君よ


貴方は、何故そんな人なんですか?

いつも優しくしてくれる。

話は聞いてくれる。


私が貴方を怒らせ、嫌われようとした日もありましたね。でも今ではそんなことなど無かったかのように接してきますよね。


私には貴方という人物が、言い表せません。


お調子者と言えるかもしれないし、天然と言えるかもしれない。はたまた、鈍感な人だとも言えてしまう。

もし貴方の事を○○で○○な人、のように表すとしたら、鈍感で酷くもある愛おしい人、と私は言うだろう。そう言ってしまう。


それに貴方は、何を考えているのかがよく分からない人でもあるな。そのお陰で私は君の立ち回りを見ていて、退屈することは無い。

次の行動を私なりに予測しても、貴方は想像の上を行くか、考えもしなかったことをやってのけるのだ。

いつもいつも、何もかもが予想通り。

それが崩れるのは私にとってとても面白いことだった。水を得た魚、新しいおもちゃを与えられた子供のように、それはもう楽しいし面白い。


今思えば私が馬鹿だったのかもしれない。

嫌われようなどと、そんな事を考えた時点で私の阿呆さが証明されたようなものだ。



あぁ、酷くも愛おしい君


私は貴方の事が……


嫌い、大嫌い、大っ嫌い……だが…

それと同じくらい好きなのかもしれないんだ……


この曖昧で中途半端な奴だが、許してくれ。

それと安心してくれ。

私はこれを君に伝えるつもりは無い。


だからこれは私が君に言いたくても言えない手紙のようなものなのだよ。


酷くも愛おしく、大っ嫌いで大好きな君


もう今更何かする事は多分ないから、その前やりたい事をやっていておくれ。

私はそれを否定せず、肯定しよう。

それが間違っていると思った時だけ、私は否定し止めようとするだろうが、基本的には肯定したい。それが私であり、私から君にやれる事だ。



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大っ嫌いという表

大好きだという裏


表裏一体とはこの事なのだろうか?














好きだ……


どうかこれが、本人に届きませんように___

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表と裏 宵闇(ヨイヤミ) @zero1121

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