僕はそれを

ミコナはウル達を連れてお庭に出た。


穏やかな陽の光が降り注ぎ、草の匂いが混じる爽やかな風が彼女の髪をそっと揺らす、まばらに家が建っているここは、<アニマタウン>。


決して都会ではないけれど、でも、必要なものは何でも徒歩圏内で揃う、とても住みやすい街。


そこにミコナはお父さんと二人で住んでいた。そんな彼女の前に現れた<かぷせるあにまるず>。


とても不思議な存在も、ミコナは当たり前みたいに受け入れます。


お庭でお茶にするために置かれたテーブルに着いて、ウル達に話しかける。


「私、みんなのことが知りたいな。お話が聞きたい」


ミコナはとっても聞き上手。相手のお話をにこやかな表情で聞いてくれるから、相手もついついいろんなことを話してしまう。


だけど、オウとフカは、


「ふん、慣れ合わんと言ったはずだ」


「慣れ合わないと言ったのはオレだ! てめーは言ってねえ!」


やっぱりきつい言い方ばかり。それを、


「オウはんもフカはんもいい加減にせんとあきまへんで!」


ティーさんが諌めるけれど、


「ふん!」


「てめーはひっこんでろ、トカゲ野郎!」


「なんやと!?」


収集がつかない。それをガーが泣きそうな顔で見てる。


「もう、しょうがないなあ」


これにはさすがにミコナも苦笑い。


すると、ウルが、つい、と前に出て。


「じゃあ、僕がまず話させてもらおうかな」


「うん、聞かせて♡」


騒々しいフカ達は好きにさせておいて、怯えてるガーを胸に抱いて、ミコナはウルの話に耳を傾けます。


「僕が覚えてるのは、ミコナが生まれた時のことかな。とっても元気に泣いてて、おっぱいをすごくたくさん飲む、元気な赤ちゃんだったよね」


「へえ、そうなんだ!?」


嬉しそうに目を輝かせるミコナにウルも笑顔で。


「ああ、そうだ。ミコナは望まれて生まれてきたんだ。だから人の愛し方も知ってる。僕はそれを確かめに来たんだよ。


ありがとう、ミコナ!」


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