第四百十九話 ルルに伝言を行う時

「そう、それなら良いんだけど……青、ルルに伝えてくれる?」

「その必要はありません、私が直接聞きますから」


高御は青に対してルルに伝言を頼むが、

その瞬間ルルは青と入れ替わりそのまま自分が話を聞くと告げる。


「そう、なら話が早いね。早速本題に入らせてもらうよ。

現在君は青と同化している訳だけど、当然青は僕達の世界の住民、

だからルル、君達の世界の任務ばかりに参加させる訳には行かないんだ」

「なるほど、つまりは私もあなた達の任務に青と共に参加すれば良いのですね」

「有り体に言えばその通りだよ。

もちろん君達の世界の任務を可能な限り優先はする。

だけど流石に毎回というわけには流石に行かないからね」

「それに対する返答はもちろん参加しますよ。

いえ、寧ろ此方から参加させてほしいと言いたいですね」


高御がルルに本題を告げるとルルはその申し出を承諾する。

いや、その表情と言葉はルル自身それを望んでいた様な部分も見受けられる。


「そう言ってもらえるのはありがたいけど、寧ろ参加させてほしいというのは?」

「別世界の作戦に参加して自分自身を更に高める、

そう考える事に理由は必要ですか?」

「いや、確かにそれはそうだね。

協力に感謝するよ」


ルルが要請を承諾してくれた事に対し、高御は安心感を覚える。


「ところで高御様、何故戦力の展開に一週間程かかると返答したのですか?」


ルルへの返答が終わったところで神楽が唐突に質問を出してくる。

そしてその発言はどうやら先程の司令官に対する返答について、

神楽が疑問を持っている事を意味していた。


「え、それはどういう事何ですか?」


ルルはその意図が分からないのか、唐突に質問してくる。

それに対して神楽は


「戦力の提供は一週間もかからない、

いや、その気になればすぐにでも必要な戦力を提供する事も出来るという事だよ」


と返答する。

それを聞いたルルは


「青からあなたの能力については聞いています。

ですが戦力の提供を直ぐにしないというのは?

理由がなにかあるのでしょうけど」


と高御に質問相手を変更してくる。

それを聞いた高御は


「まあ、その辺りはあの司令官の本気度を図るためかな。

ああいう手合は腹に一物ありそうな気がしてならないからね、

本気度を少し試してる」

「ああ、本気であれば少なくとも僕達が戦力を提供するまでの間、

自分達の戦力で防衛するだろうからね」

「なるほど、確かに私からしても、

あの司令官はどこか疑わしい部分がありましたからね」


とその理由を説明し、ルルもそれに同意する。

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