第三百九十六話 兵士の出現を確認する時

「ええ、だけどその前にやっておいた方が良い事が無いか?」

「やっておいた方がいいって事?一体何があるのスロープ」


部屋の外に出る前にやる事があるというスロープに対し

セリアンはそのやる事が何なのかどうかを聞いてくる。

するとスロープは


「ここにあるデータを端末に落としておく事だよ。

司令官の施設にあるデータと差異があれば今回の兵士の不可解な行動の理由が

分かるかもしれないだろ」


と返答する。


「ああ、確かにそれはその通りだね。

データの入手は僕の方でやっておくから皆は先に行って」


明帝がこう発言するとパウは


「そうね、こうしている間にも兵士が司令官の部隊に

向かっていっているかもしれない。

そう考えると早く向かった方が良いわね」


と話し、その言葉と同時に明帝を残し外に出ていく。

それを確認すると明帝は端末を接続し制圧した司令室のデータを落とし始める。

一方外に出て先程の大広間に向かった他の面々は

先程の大広間へと向かっていく。


「皆さん、気付いていますか?

何か大広間の方が騒がしくなっている事に」

「ええ、確かに騒がしくなっているわね。

なにかが起こっているのは間違いないと思う、気をつけて」


セリアンがこう口にするとパウは全員に対して注意を呼びかける。

そして問題の大広間に入ると一同は


「!!これは……」


と驚いた声を出す。

そこは先程通った時とは完全に雰囲気が変わってしまっていた。

何しろその大広間には多数の兵士が現れていたのだ。


「これだけの兵士が出現しているとなると、

恐らく施設が制圧されかかると兵士が開放されるようになっていたんだろうな」

「だけどただ単に数が居たところで俺達の敵じゃねえぜ。

まあ、何か隠し玉があるのかもしれねえけどな」

「だとしても怯んでいるつもりはねえ、君もそうなんだろ」


クウォスが兵士が大量に出現していることについて洞察を行うと

スロープもその言葉に同意する。

その言葉のまま兵士の集団に飛び込んでいく。


そのまま格闘術で兵士を蹴散らしていき、兵士を倒していく。

それを確認したパウは


「ええ、確かに数が多いわね。

となるとその出処は……やはりさっき明帝が調べていたエリアから

出現しているのでしょう」


そう告げるとパウは生産場所があるであろう方へと目をやる。

するとやはりというべきか、そこからピープルの獣人兵士が

次々と出現していた。


「ならば!!氷獄の壁よ」


と言って扉の近くを凍りつかせ、

そこから出現した兵士の動きを止めていく。

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