第三百九十七話 兵士の出現が止まる時

しかしそれにも関わらず兵士は次から次へと出現しようとし、

そして次々と凍りついていく。


「凍りついているのは見えているにも関わらず突っ込んでくる……

やはり思考能力が無いと言うの?」


その様子を見たパウはこう考えるものの、その動きを止められる訳もなく

ただ見つめることしか出来ない事に何か思うところがある様子を見せる。


「パウが入り口を防いでくれた!!

これ以上兵士が増える事は無い、このまま行くぜ」


パウが扉を凍りつかせ、動きを止めたのを確認したクウォスは

一気にピープルの兵士に向かっていき、一気に格闘術で倒していく。

それを確認したスロープもそれに合わせて向かっていき、

クウォスに合わせて格闘術を次々と繰り出して兵士を蹴散らす。


「二人が突っ込んでいった事で獣人の注意が二人に向いていますね。

ならこの鋤をつかない手は無いです!!」


セリアンはそう告げると目の前に妖術の印を出現させ


「漆黒の衝撃!!」


と言い、印から黒い衝撃波を放ち、

目の前にいたピープルの獣人を吹き飛ばす。

勿論その衝撃波にスロープやクウォスを巻き込んだりはしていない。

その正確な狙いは彼女の性格、能力故なのだろう。


だがその衝撃波を回避し、一同に接近してきた獣人も居た。

その獣人は爪を立て、セリアンに接近してくる。


「くっ、私達の動きを合わせて接近してきた?

この獣人達、戦闘記録を共有しているのでしょうか……」

「そうかも知れないわね、

だったら尚の事こんな所で立ち止まっていられないわよ」

「はい、早急に突破する必要がありますね」


そう告げるとセリアンは近くによってきたパウと共闘し、

ピープルの獣人を突破していこうとする。

だがその直後、パウが凍らせた扉に激突してくる兵士の音が突如として途絶える。


「何?獣人の音が急に途切れたわね……装置が停止したのかしら」

「という事は明帝さんが装置を停止させてくれたということでしょうか?」

「そうかも知れないし違うかもしれないわね。

どちらにしてもこのチャンスを逃す手は無いわ」


音が途絶えたことに対してセリアンが疑問を抱く、

するとパウはそれに対してこう返答し。前方に密集している

獣人達に向かって移動していく。


「敵の数はコレ以上増えない!!

一気に叩いていくわよ」


パウはそう告げると両手を構えて攻撃態勢を取るが、

それに気付いたのか獣人達が一斉にパウに向かっていこうとする。

だがその直後に


「おっと!!この状況でよそ見は禁物だぜ」


とクウォスがほかの方を見ている獣人に対して格闘術を叩き込む。

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