第三百五十九話 他の部隊が現れる時
「なら急ぎましょう!!建物の上では下を崩されてしまったら終わりです」
セリアンがそう叫ぶと兵士達の一部が建物の中に突入していき、残った面々は他の場所に向かっていく。
そして次のエリアに到着するが、そこでセリアンは
「え?これは……」
と一瞬瞬きをして戸惑う。
そこに居た兵士は既に倒れ込んでいたのだ、それも兵士達が大きく抵抗した痕跡は無く、果たして何が起こったのか想像も出来なかった。
「ここの兵士は既に倒れていますね……自害でも行ったのでしょうか?」
「いえ、自害や同士討ちを起こしたという雰囲気ではないわねこれは……」
一瞬自害や同士討ちも考えたが、セリアンはそれを明確に否定した、彼女がそう思ったのは拘束していた糸は動きそのものを封じ込めるものであったためだ。
その事を考えるとやはりそれは誰かが倒したと考えざるを得なかった。
「と、とにかく兵士が倒れているのであれば近くに居る……」
「住民の救助も完了していますよ」
兵士は民間人の救助に向かおうとするがその直後に建物の中からこの声と共に兵士が出てくる。
「皆さんは……」
セリアンがそう告げると出てきた兵士は
「ええ、此方は既に終わりましたので移動してきたのです」
そう告げる。
その兵士達は作戦でスロープの部隊に向かっていった兵士たちであった。
「そちらが終わったと言う事はスロープも?」
「ええ、此方に到着して直ぐに残る場所に向かいました。
此方でも民間人を人質に取ろうとする流れはありましたので」
兵士は自分達が此処にいる理由をこう説明する。
「つまり、そちらの施設の制圧は既に完了したと?」
「ええ、幸いにも此方は敵の動きが整う前に動き始める事が出来ましたので」
「となると、ここは既に行動を開始し始めていた?」
兵士の発言から既に動き始めている場所とそうでない場所がある事を察知していた可能性がある事を想像する。
「ええ、我々が向かった場所は慌ててやっていましたが、既に行動を開始していた場所もあるのでしょう」
「つまり、奴らは民間人を人質に取る行う準備を既に行い始めているという事ですか?」
「その可能性は十分ありえます、故に今回一斉に行動に移ったのは正解だったと言っていいでしょう」
兵士とセリアンが会話するとそのままセリアンは
「なら早くスロープの元に向かいましょう、そして場合によっては私達も他のエリアに向かう必要があるかもしれない」
と発言し、スロープの元に自分達も向かう事を告げる。
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