第三百四十五話 作戦開始が迫る時

「え、それは一体どういうことなんですか?」


当然の様に兵士が高御に問いかけると高御は


「君達は不思議に思わなかったの?さっき異星連合の部隊を態々誘導してもらったのを」


と兵士に対して逆に問いかける様に返答する。

それを聞いた兵士は


「え?確かに誘導はしましたがあの行動にどんな意味が……」


と更に困惑した表情を見せる。

それに対してアデルは


「あの主砲を撃つ事が目的だった、そうなのでしょう?」


と告げる。

それを聞いた瞬間、高御だけでなくその場に居たESBの面々全員が同じ様に頷き、且つその通りと言わんばかりの表情を浮かべる。


「まあ、作戦中にこれ以上焦らしていても仕方ないから今から解説するよ、まずはこれを見て欲しい」


その中で真っ先に口火を切ったのは神楽であった。

そして画面に何かを表示させると兵士は


「これは……一体何でしょうか?見た所現在の作戦宙域の用に見えますが」


と実直な感想を述べる。

すると神楽は


「その通りですよ、そしてこれを見て何か気付きませんか?」


と兵士に問いかける。

それを見た兵士は


「うむ、現状この戦艦は目標の砲台に向かっている事は分かりますが……待てよ、この角度で先程の主砲を撃った場合は!!」


とここに来て大声を出す。

一方それを聞いた明帝は


「そう、この角度で希望の審判を撃った場合奥にいる施設の防衛部隊にもある程度打撃を与える事が出来たという訳です」


と説明を行う。

一方この図の解説を見たアデルの側近兵士は


「それでは直接施設付近にワープしなかったのは……」


と問いかける。

すると神楽は


「そう、エネルギーのチャージって言う目的もある、流石にあの出力を連射するのは難しいからね。

少なくとも30秒程はチャージ時間がかかります」


と説明する。


「それでも十分早いと思うのは僕だけなのかな?まあ、彼等には釈迦に説法だから敢えていう必要はないだろうけど」


アデルは内心でこう呟くものの、それを口には敢えて出さなかった。

最もそれは正解なのだろうが。



「さて、そろそろ作戦宙域に突入する頃ですよ、皆さんも出撃準備に入って下さい」


パウがそう呼びかけると一同は出撃体制に入り始める。

それに対して兵士は


「では我々も出撃します、それにそろそろ先程通信が入った部隊も到着する頃です」


と告げる。

それを聞いた神楽は


「その部隊は今どの辺りにいるか分かりますか?角度次第ではもう一撃打ち込めるかも知れませんから教えてほしいのですが」


と兵士に機器、兵士は


「恐らくはこの辺りではないかと思います」


と言ってそのエリアを指差す。


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