第三百三十九話 二人が合流する時
「セリアン君の言いたい事というのは?」
長老の言葉に引っかかりを覚えたのか、アデルが問いかける一方で高い親御達は何となく察しが付くと言った表情を浮かべていた。
だが決して楽観視している表情ではない。
「俺とセリアンもその作戦に参加したいって事だよ」
スロープはこう言葉を続け、セリアンもそれに黙って首を縦に振る。
それはスロープの発言に同意知っている事を意味していた。
「え!?それってつまり……」
その発言に対してアデルは困惑した表情を見せる、一方高御やミスティ、長老達はやっぱりと思っていたのか、その表情を崩す事はなかった。
「確かに戦力が増えるのは有り難いですが、それでは……」
「不満なのか?それとも不安なのか?」
「後者の方ですね、マルティー本星の戦いに異世界の方々を巻き込んでいいのかどうか……」
「それは俺達だって同じだ、だが皆さんと協力していくと決めた以上、俺達も皆さんに協力する意志がある。
それに俺達の作戦も結果的には早くなると思うしな」
「ええ、私もスロープと同意見です、皆さんの世界の危機を放置は出来ませんから」
アデルがそれに対してこう告げる一方、他の面々は黙って聞いていた。
「皆様、お聞きになりましたか?二人の意思はこの通りです。
勿論無理矢理にとはいいませんし変な気遣いは不要ですが……」
「分かりました、意思を持つ存在の強さは僕達も分かっています、そのお力をお借りします」
長老の発言がダメ押しになったのか、アデルはこう告げると二人の作戦参加を許容する。
それに対して他の面々も納得した表情を浮かべる。
「じゃあ早速そっちに向かうぜ、その方が話が早いからな」
スロープはそう告げるとその言葉通り早々に長老の居る謁見の間に繋がっている転移通路を通ってアデル達の方にやって来る。
「さて、作戦はどんな感じになるんだ?」
アデル達の元にやって来たスロープとセリアンは早速アデルに作戦の詳細を教えて欲しいと言わんばかりに近寄ってくる。
だがセリアンは
「一寸スロープ、流石に近付き過ぎじゃない?」
と話しアデルに近付き過ぎている事を注意する。
それを聞いたスロープは
「あ、そうだったな……」
と言うと少し後ろに下がる。
それを確認したアデルは
「ああ、説明するよ。
今回の作戦についてだけどまず宇宙空間に浮かぶビーム砲を僕達と高御さん達の戦力で破壊、そのまま地上に降下して地上部隊と合流、その後は可能な限り迅速にマルティー本星の各地にいる異性連合部隊に対して一気に攻勢をかけます」
と概要を説明する。
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