第三百七話 作戦の打ち合わせをする時

「では、具体的な作戦の内容をお伝え頂けますか?」

「もし必要であれば此方の技術や戦力も提供致しますよ」


ミスティが作戦の詳細な説明を聞こうとするとアデルが唐突に戦力の提供を申し出る。

それに対して側近の兵士が


「アデル様?その提供する戦力というのは……」


と少し不安げな口調で話しかけるとアデルは


「当然僕と君達の事だよ、今回の侵攻が他人事ではないんだからね」


と軽い口調で話す。

それに対して周囲の兵士はやっぱりと言った印象の表情で少し困った様子を見せる。


「さて、作戦の概要ですが、現在我々の拠点となっている街より東に行くと現在ピープルが占拠している街と併設された基地があるのです。

まずはそちらに侵攻してピープルに対する反撃の狼煙をあげます」

「占拠と言う事は元々は貴方達の施設だったのですか?」

「ええ、かなり長い間防衛戦を張る事が出来たのですが、その間に戦力を整える事が出来なかった為、遂に陥落を許してしまったのです。

そしてその結果……」

「一気に追い込まれてしまったと言う訳ですね。

と言う事はつまり元々は皆さんの施設だったのですか?」

「ええ、その通りです。

ですから地理については此方に理があるのですが、向こうの戦力がどれだけ配備されているのかについては不明です」


アデルの側近の兵士が困惑した表情を見せているのを尻目に長老と高御やミスティは作戦の概要や目的地についての情報を会話する。


「つまり、敵戦力がどれだけ居るのか分からないというのがボトルネックになっていると言う訳ですね」

「ええ、なのでそちらの戦力もお借りしたいのです」

「その点の事を考慮すると此方の戦力から送るのは多くの人数を送り込むのか、それとも多数戦闘を得意とするメンバーを送った方が良いのか何方でしょうか?」

「後者の案で来て頂きたいのですが宜しいでしょうか」


更に長老が現状の戦力を分析すると高御は提供する戦力のレベルをどの辺りに当てはめるか否かを問いかける。

すると長老は後者のプランを採用して欲しいと告げる。


「では七宝とパウ、そしてクウォスに行ってもらう事にします」

「それについてですが、能力を使用しないメンバーも三名程同行させて頂いて宜しいでしょうか?」


提案を聞いた高御が即座にメンバーを編成すると神楽がそこにメンバーを追加したいと告げる。


「メンバーを追加?三人だと不安なの?」


パウが少し疑問を含んだ声で問いかけてくると神楽は


「いや、そうじゃないんだけど、能力なしでもピープルと交戦出来るかどうかを検証しておきたいんだ」


とその理由を告げる。

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