第二百八十五話 それぞれが善戦する時
「鋼の爪よ!!ピープルを両断する力を」
「魔導の風よ、目の前を吹きとばせ!!」
スロープとセリアンはそれぞれこう口にすると目の前に銀色、緑色の魔法陣を出現させ、スロープはそれを爪に宿らせてピープルの異形を両断し、セリアンはそこから緑色の竜巻を呼び起こして目の前の妖術通路を攻撃する。
するとその奥から出現しようとしていたピープルの異形が吹き飛ばされたのか何かが飛ぶ音が聞こえてくる。
「七宝、次はまだ来る!?」
「今セリアンが使った魔力で異形は吹き飛ばされましたが、その奥からまだ熱源反応はあります!!
しかも今度は先程よりも大型です」
「となると日本で出現した奴と同じ異形かも知れませんね、それが複数体同時に来るというケースは?」
「考えられなくはないわ、熱源が複数確認出来るもの」
高御が七宝に対し通路内の状況を説明する様に告げると七宝は通路内にまだ熱源反応が存在している事を話し、それに対して神楽が確認すると熱源反応が複数ある事が判明する。
「くっ、これだけの数を同時に送り込んで来るなんて……」
「それだけ敵も本気って事なのかも知れませんね、ですがそうであったとしてもやる事は変わりません!!」
「ええ、私達の全力で迎撃するだけよ」
各々がこう告げると同時に一同は交戦体制を取り、通路の前へと集結していく。
一方星間連合の偵察員と交戦していた中東地域の兵士たちも善戦しており、連合の兵士を追い込んでいた。
「くっ、地球の兵士め……何時の間にこれだけの力を……」
「お前達が侵攻してきたからだ!!地球に無益な争いを持ち込んだ罪、贖ってもらう!!」
未だに地球に対する認識が甘いのか、星間連合の兵士は中東地域の兵士を何処か侮っている様に見える。
それに対しても怒りを覚えているのか、中東地域の兵士の声は先程の声よりも更に怒りを増している様に聞こえる声であった。
「ちっ、だが我々とてそう簡単にやられはせんのだよ!!」
兵士はそう告げると手元から手榴弾らしき物を投げつける。
「あの物体、手榴弾か?だが……」
「いえ違います!!あの物体が標的にしているのは……」
「しまった!!そういう事か!!」
司令官らしき兵士が星間連合の兵士が何かを投げるのを見、その動きから手榴弾の様な物であると推測するものの、その標的は中東地域の兵士ではなかった。
その狙いに気付いた兵士はすかさず振り返るものの、その直後に星間連合が投げた物体は大爆発を起こす。
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