第二百七十一話 妖術の謎を迫っていく時
「協力してくれるのはありがたいけど、具体的にはどうするつもりなの?」
セリアンの協力の申し出をアデルはありがたく受けるものの、その一方でどうするつもりなのか疑問を抱いても居た。
その問いかけに対し答えたのは
「まあ、実際何が出来るのかどうかなんて分からねえ。
だが俺達の妖術と既にそっちで分かっているデータや技術を照合、統合すればなにか出来るかも知れねえだろ?」
というスロープであった。
それを聞いた神楽は
「確かにそれも一理はあるね、実際検討して見る価値はあると思う」
とその提案に肯定的な意見を見せる。
だがその内心では
「確かに彼等の言う通り彼等の妖術を解析すれば一気に調査が捗る可能性は高い、それにそれは此方としても願ったり叶ったりの話だ。
だけどどうしてエリーやミスティ様、高御さまはあの様な表情を?
彼等に何か一物あると言う事?」
と二人に対する三名の表情から何処か不穏な雰囲気を感じ取っていた。
それは彼等に裏があるという訳ではないのだがそれ故に却っ問題なのではないかと思わせる。
「さて、それも含めてこれからの行動だけど、その前にまず地球に対して説明をする必要があるね。
今回の一件についてエンブレムの兵器は共闘した地球側にも把握されている筈、それに対する返答が行われなければ不安になるだろうからね」
「ええ、だけど今通信が繋がらないのよね、何か極秘の会談でも行っているのかしら?」
「仕方ない、アデル君の話を纏めたファイルを後で僕の方から送っておくよ、僕達の持っている情報を送っておくよ。
君達は一旦部屋に戻って休んで欲しい、特に瑠璃花達は今回が初陣なのだから疲労しただろうからね」
高御とミスティが地球への対応を話きした後、一同は休息を取る様に促され、それを聞いた一同は謁見の間を後にして行く。
そして客間に戻ったスロープは
「協力を取り付ける事は出来たか……だが俺達が気になっている部分の回答はまだ得られなかったな」
とセリアンに話しかける。
それを聞いたセリアンは
「仕方ないわよ、此方から協力を申し出ると言う事は彼等も予想していなかったでしょうし、それにいきなり問題を切り出すのは客人として問題がありすぎるわ」
と返答する。
「ああ、だが協力すると言った以上、俺達も手の内を見せる必要はあるぞ」
「その位は承知の上よ、少なくともピープルについては私達が主軸になって戦う必要があるわ」
「ああ、可能であればピープルがこの世界に侵攻してくる前に元の世界に戻りたい所だ」
「そうね、その通りだけど……」
セリアンとスロープは会話を続けるがセリアンは何か思う所があるのか言葉の歯切れが悪い。
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