第二百二十四話 上層の姿が見える時
「さて、それじゃ急ぎましょう。
高御様もおっしゃって居た様に遅刻は許されないわ」
瑠璃花が急ぐ様に促すと一同は移動戦艦に乗り込み直様出撃して現地へと向かっていく。
そして戦艦がワープゲートを出現させるとそれを潜って行くと早々に現地へと到達する。
「地球側の迎撃部隊は既に到着していますね」
「ええ、いつまでも貴方達に依存している訳には行きませんから」
そう告げると地球側の部隊は瑠璃花達に合流し、共にワープゲートの方へと視線を向ける。
そしてその直後、ワープゲートが開きそこから多数の機影が姿を表す。
「やはり星間連合ですね……」
「ええ、ですが敵もただ突っ込んできた訳では無さそうです。
此方のデータに記録されていない機体も確認出来ました」
地球側部隊の兵士がこう呟くと亜矢はこう告げ、星間連合の部隊の中に新型が配属されている事を告げる。
「あれは……もしかして?」
敵部隊の中に新型が紛れ込んでいるという話を聞き、総員がその機体を視界に入れるとアデルは何処か困惑した声を上げる。
その声は単に星間連合が今回の相手であるというだけではない雰囲気である。
「アデル様、アレはもしや……」
「どうかしたのですか、アデルさん?」
側近の兵士もアデルと同様に困惑した声を上げている、それに対して相が問いかけるとアデルは
「ええ、アレはもしかすると星間連合の上層部親衛隊かも知れません。
皆さんが新型とおっしゃる機体の一部に刻み込まれているエンブレムがそれを証明しています」
と告げる。
「上層部親衛隊、つまりこれまでよりも兵器、パイロット共に腕が上って事?
それってつまり……」
「地球をそれ程の驚異と認識してきたって事ね」
青味と瑠璃花はこう会話をした後
「地球側の皆さんも聞こえましたか?敵の新型はこれまでより上位の存在が乗っている可能性があります。
その点を考慮して交戦する様にして下さい」
と地球側の部隊に通達する。
その通達を聞いた地球部隊は
「了解しました、皆さんもお気を付けて」
そう返答すると地球側の部隊は素早く戦力を展開し星間連合の部隊を迎撃する体制を整える。
「さて、僕達も行きましょうか!!」
アデルはそう告げると全員に出撃する様に呼びかける。
その声は先程と比べて明らかに明瞭な印象であり、星間連合の上層部隊が出撃してきたと言ってそれで焦燥感を抱いていると言う訳では無い様だ。
「ええ、新型が出てきたからと言ってそう易易と先に進ませる訳には行かない!!」
瑠璃花もそう声に出し、一同は出撃していく。
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