第百八十七話 作戦の後の会話を聞く時
「ええ、私もそう出来る様に精一杯の協力を惜しまないつもりよ」
「今回の様子から考えると私達も彼等から兵器を提供して頂くだけでなく、独自に技術の解析、活用を勧めるべきでは?」
西欧代表がこう返答すると今回の作戦に参加した兵士は提供された技術の解析を提案する。
「ええ、もしかすると兵器としてだけでなく我々の生活や環境をより改善する技術も入手出来るかも知れない」
兵士の提言を受けた西欧代表はその提言を採用する事を告げる。
だがその一方で今回の作戦に参加した兵士の一人は
「ですがあれは型落ち品なのでしょう?それを解析して……」
と言いかけるがそこで部隊長を努めた人物が
「君は今回の作戦に参加して、否今までの訓練から何を学んだんだ?彼等にとっては型落ち品かも知れないが我々にとっては十分未知の技術と兵器だ。
そこから学ぶ事は色々ある筈だ」
と兵士を諭す様な発言をする。
「しかしそれでも現行の兵器と技術を回してくれればいい物を」
「その口はまず現行の兵器を使いこなせてから言え」
兵士は尚も不満な口調を告げるが隊長はその発言も諭す。
しかしその内心では
「とは言うものの、確かに現行の技術を提供してくれた方が二度手間にはならずに済む。
それをしないと言う事は此方の暴走を危惧してのことか、それとも……」
と兵士の不満に対して一定の理解とそれに対する自身なりの思考を張り巡らせていた。
一方ESBの本部に帰還したクリン達は早々に謁見の間へと足を向ける。
するとそこには既に高御や幹部達、アデル達が顔を揃えて待っていた、
「君達の活躍もあって星間連合の新型を鹵獲する事が出来た、まずはその事に感謝するよ」
「ありがとうございます。
では早速解析をお願いしたいのですが」
「焦らなくても後でじっくりと私がやらせてもらうわ、まずは今回の作戦についての報告を」
「ええ、分かっています。
今回の作戦についてですが、星間連合の部隊の動きから次の侵略行動を起こしてきたとは思えません、恐らくは偵察を目的にしたものと思われますが、そこに新型を含めてきたと言う事はワープゲートについての疑念を抱き始めているのでは無いかという推測が成り立ちます」
「ワープゲートについての疑問?一体どういう事です?」
高御が労いの言葉をかけるとクリンとテテルを中心に今回の一件について報告を始めるがその最中で引っかかる言葉があったのかアデルの側近兵士が疑問を投げかける。
それに対してミスティが
「それはね……」
と言い掛けるがアデルは
「いえ、説明は後で構いません、先に報告を続けて下さい」
と報告を先にする様に促す。
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