第百八十話 西欧代表の決意を聞く時

そして部屋の機器を操作していた神楽が


「欧州地区にワープゲート反応感知!!パターンから星間連合と断定しました」


と告げると七宝は


「噂をすればって奴ね……或いは潜んで居る調査員が何らかの連絡を入れたか。

何れにしても一月経過している以上これまで以上の戦力が投入されてくる可能性は大いに考えられる、此処は……」


と言うがそこで七宝の言葉を遮る様に通信が入ってくる。


「何!?このタイミングで通信?」


警報が鳴っている最中での通信と言う事もあるのか少々動揺した声でミスティが反応するがそれに構っている場合ではないと言わんばかりに高御は通信に応対する。


「貴方は……欧州代表?」


そう口に出た高御の言葉の通り、その通信を送ってきたのは欧州代表であった。


「皆さん、現在我が方にて皆さんから提供していただいた機器が反応を示しています。

これは星間連合の侵攻であると解釈して宜しいでしょうか?」

「はい、そちらに提供したレーダーは星間連合のワープゲート開放に反応して自動的に作動する様にしてはありますが……」

「では間もなく星間連合が進行してくると言う事ですね」

「ええ、ですから早く国民の非難を……」

「それもあるのですが、今回の侵攻、まず我が方に迎撃させて頂きたいのです」


高御が国民の避難を促すが、西欧代表から思いもよらぬ言葉が出てくる。


「我が方で迎撃する!?つまりそちらに提供した自衛戦力を使用するという訳ですか?」

「はい、無人機は勿論ですが有人機も出撃させ、我が方で可能な限りの星間連合を迎撃します」

「それは……本気で言っているのですか?」


余りにも唐突な発言にその場に居た粗全員が動揺、戸惑いを隠せない。

地球に提供した戦力の詳細はESBの面々も把握しており、その点についての不安は無い、だが西欧代表の言葉にはそれでも動揺を隠せない。

更に有人機も動かすと聞き、更に動揺した顔を見せる。

まさかそんな発言を聞く事になるとは全く思わなかったからである。

だが本部に居る中で数少ない動揺した表情を見せていないエリーは


「本気なんですね」


と確認する様な言葉遣いで確認する。

それを聞いた西欧代表は黙って首を縦に振って頷き、それが本気であるという事を示す。


「……分かりました、ですが此方もみすみす被害を出させる訳には行きません。

数名は此方からも戦力を投入します」


同じく動揺した表情を見せていなかった高御もそう告げる。

それを聞いた西欧代表は


「此方の我儘を聞いて頂きありがとうございます、必ず有言実行してみせます」


と返答する。

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