「異形の世界が我々の世界を侵略する意図があるのか否かはまだ分かりませんが、もしその意図がある場合、大きな脅威となる可能性が非常に高いでしょう」

「あの様な異形を生み出している世界が平穏であるとは思えない、神楽の懸念も最もだと思う。

だからこそ次の機会を逃さない様にね」

高御と神楽が懸念を声に出している頃、全く異なる場所で

「又異世界に魔術通路が繋がったのか……」

「ええ、何故そうなったのかは不明です。

何らかの問題が発生したのか、それとも私達も知らない全く未知の何かが影響しているのか」

「そうだとすると魔法通路に使用している魔術をもう一度見直した方が良いのかも知れないな」

その会話の内容からこれを行っているのは今回の異形を生み出した世界の上層部である事は容易に想像出来た。

「今回の一件で此方の戦力もある程度の損失が発生し敵対戦力討伐用部隊編成にも影響が出始めている。

然し原因が分からないというのは看破出来る話では無い」

「然し我々の作戦に魔術通路の使用は避けては通れない道です、それ故に今後このトラブルが続く様では作戦の支障は避けられないでしょう」

「それを防ぐ為にも魔術の調査、改善が必要になります。

しかしその為にはもう少し大きな調査機関や施設を調達したい所ですね」

「そうか……では我が方の施設を使用する事を許可しよう」

この二人の話はこの言葉で終わり、モニター越しのスイッチを停止して映像を消す。

「アデル様？何をしてらっしゃるのです？」

その頃ESBの本部で移動挺の一室に籠もっていたアデルに対し側近の兵士がその部屋に入りながらこう告げる。

「うん、今ESBの皆さんが本部内でお話していたんだけどそれによると又異形が出現したって話をしていたからね、僕達の方のデータでも何か分かる事が無いか調べているんだけどやっぱりそう簡単には見つかる訳がないね……」

兵士に対しアデルがこう返答すると兵士は

「やはりあの異形は異星連合とは異なるのでしょうか？

それに出現方法も疑問です、何故異星連合の偵察員が開いたワープゲートからあの異形は出現しましたが、何故出現したのか……」

と発言しそれに対してアデルは

「だけど今回聞いた話によれば異形は突然出現したワープゲートから出現するという異星連合の偵察員と同様のパターンで出現した、更に近くに居た民間人にも襲いかかろうとしたと言う事だからね。

そう考えるとワープの技術について何か分かるかも知れない」

とワープ技術に注目する。

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