第百六十話 地上が歓喜する時

参院の加勢により一気に戦局は傾き、星間連合の兵器集団は総崩れになっていく。


「それにしても七宝様より敵機の捕獲命令が出てこないわね、このまま全滅させていいって事なのかしら?」

「そうだと思うよ、高御様も特に何か命令を出してきている訳じゃない。

星間連合を全滅させてあのゲートをなんとかしないと」


ミルファと青は既に意識をゲートへの対応に向けている様だ。

すると星間連合も既に状況が劣勢である事を察したのかその言葉とともに増援が出てこなくなる。


「敵の増援が途絶えた?何か狙いがあるのかそれとも……」


アビルがそう言うと共に徐々にゲートが縮小していく。


「奴等はゲートを閉ざすつもりみたいだね、だとすると現状は此方に有利と言う事になる。

一気に押し切るよ!!」


青がそう叫ぶと共にアビル、ミルファの攻撃も一気に勢いを増し星間連合の兵器を一気に殲滅させる。

兵器が全滅すると同時にゲートは収束し此方からの追撃は不可能となる。


「これで全滅か……しかし今回の攻撃は何の目的があって仕掛けてきたんだ?」

「その点も含めて報告の必要があるわね、一旦地上に戻りましょう」

「本来地球に提供する予定だった兵器達も戻してあげないといけないしね」


三人はこう会話すると戦艦に戻り、そのまま戦艦のブリッジに言って機器を操作し地上へと降りていく。

そして地上に戻るとそこには先程出撃した時以上の住民が集まっていた。


「住民の皆さんが集まっていますね……それ程心配だったのですか?」

「いいえ、心配で集まってきたのではありません。

皆さんの戦いをこの目に焼き付けたいと思って集まっているのです」


地上に集まっている住民達を見て心配になったのか青がこう告げると何処かから返答が聞こえてくる。

それが聞こえてきたのか周囲を見渡すと先程繋げておいた通信機器から投影している上空の映像からである事を知る。

その声を発したのは通信機越しに会話していた西欧代表だった。


「僕達の戦いを目に焼き付けたいと思って集まってきた?然し僕達は……」


青はこう疑問で返す。

それに対してエリーが


「悪いんだけど先程の戦い、映像として此方の皆さんにも見てもらっていたの。

今この世界を狙っている存在が何者なのか、一体どんな戦いをしていくべきなのか」


と先程の戦いを一部始終流していたと言う事を告げる。


「今回凌ぐ事が出来た事で歓喜しているのか、それは良いが先程の……」

「その話については此方に戻ってから話してくれる?私も戻るから」


アビルが先程の攻撃について話始めようとするとエリーはその前に帰還するように告げる。

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