第百四十七話 代表者を選定する時

「では僕達も武装や技術の量産を開始します。

幸い僕達が乗ってきた戦艦には生産ラインが確保されていますのでそれ程時間はかからないかと」

「そうして頂けると此方としても有り難いよ」


アデルがこう報告すると神楽が返答し、それを確認したアデル達は謁見の間の扉へと足を向けて移動していき、そのまま外へと出ていく。


それを確認すると神楽は


「……此処に来て物事が急転直下で動いていますね。

此方も早々に行動を起こした方が宜しいのでしょうか?」


とふと呟く。


「確かに此処に来て物事が大きく動いているわね、これが偶然なのかどうかは分からない。

だけどこれはチャンスでもある、私達の以前からの計画を進めるという意味では」


ミスティはそれに続けてこう言葉を続ける。

その言葉から彼等も又何かを考えている様だ。


「さて、僕達も戦力を整える必要があるね、神楽、先程から何度も聞いて申し訳ないけど戦力を整えるのにどの位の時間がかかりそう?」

「はっきりとは申し上げられませんが地球に提供する分は此方の型落ち分を回すとしても一週間は欲しい所ですね。

勿論現状で提供出来る分は提供致しますが」


高御が質問を投げかけると神楽はこう返答する、どうやら地球に提供する戦力の規模を思考しているようだ。


「地球側に提供する戦力は現状可能な限り直ぐに、少なくともある程度の訓練をすれば使えるようになる物を優先して」

「ええ、使えない物を提供して素材ゴミが増えてしまうのは本末転倒ですからね」


具体的に戦力を送り込む算段は既に整っている様だ、だが此処で


「それは分かりましたが、では誰がその戦力を地球まで移動させるのですか?

何も無い所からいきなり戦力が転移してきたとなれば流石に地球側も混乱すると思うのですが」

「そうだね、今回は地球に直接移動するよりも戦艦で移動させた方が良いのかもしれない」


とエリーが唐突に移動方法について話し始める。

それに対して明帝が提案するとエリーは


「そうね、その方が良いかもしれない。

では誰が代表として戦艦に乗り込んでいくのですか?」


と話す。


「なら私が行った方が良いのかもしれないわね、向こう側の内心も探る事が出来るから戦力提供の裏側の意図も知る事が出来るかもしれない」


話を切り出したが故と思っているのか、エリーは自らが代表として戦力を提供市に地球に向かう事を提案する。


「そうだね、それが良いかもしれない。

それに戦艦で向かえば偵察員に対しての牽制になるかもしれない」


エリーの提案に神楽も賛成の意を示す。

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