第百四十八話 準備を開始する時
「その場合民間からの警戒心を緩和する為にも医療技術や食料等の物資も同時に提供した方が良いだろうね。
そうすれば民間人も僕達に対して協力してくれやすくなるかもしれない」
「ええ、災害に便乗する形で気分の悪い話ではあるけどこの状況ではやむを得ないわね」
「ああ、神楽、地球に提供する戦力以外の物資は現状確保出来ている?」
「ええ、そちらについては今日までの蓄えを少し切り崩せば地球に提供する分は十二分にあります。
それにその位の量であれば兵器よりずっと早く提供する量も生産出来ます」
一同は現状を見据え、地球への提供方法について最も効果的な手段を模索する。
「その分の積み込みは何時頃まで掛かりそう?」
「現状だと明日の朝には完了すると思います、それから出発すれば明日の午後には地球に物資と兵器を提供出来ると思います」
ミスティが問いかけると神楽は明日にはそれが可能であると告げる。
「なら話は早いわね、明日の昼には私が地球に向かうわ。
勿論いきなり最新鋭の戦艦で向かうと訝しげな顔で見られるでしょうから周囲に旧型戦艦を同伴させて向かうつもりですが」
「カムフラージュを兼ねての事だね、その案を採用しよう」
エリーがこう告げると高御はその提案を採用する事を告げ、その行動を肯定する。
「なら早速準備を初めたいのですが宜しいでしょうか?
そうでなければ流石に時間に遅れますから」
「そうだね、なら僕達も一旦解散しよう。
地上に向かっている面々には僕が窓口になっておくよ」
「アデル君達に対しては私が窓口になっておくわ、だから皆は休んでいて」
高御とミスティがそう告げると神楽達は顔を見合わせて頷き、その後部屋の扉に向かって足を向けて移動していき、扉に辿り着くとその外に出ていく。
それを確認するとミスティは
「大きく動き出したうねりね……」
「うん、滅亡への道を閉ざす為にもここからが本番なのかもしれない。
それに異形についての情報も集めていく必要がある、次の災いを齎される前にね」
と高御と真剣な顔つきで会話し、二人揃って目の前のモニターを見る。
一方その頃マルティー本星の某所において
「戦艦の遠隔自爆には成功したか、然しそれでも此方の想定程は打撃を与えられてはいないな……」
「ええ、此方側の人間と比べて地球の民間人は明らかに戦闘経験は不足している筈、にも関わらずここまでスムーズな対応をしてきたとなるとやはり何処かで実践慣れしている、或いは既に対策を取られているのか?」
という何者かの会話が行われていた。
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