第百三十八話 自爆が発生する時
「どうしたの明帝!?」
「高御様、直ぐにエネルギー反応周辺全域に避難命令を発令して下さい!!」
大声を上げた明帝に対し高御がどうしたのか問いかけると明帝は直ちに尾のような発言を行う。
それを聴いた高御が
「避難命令!?それはつまり……」
とその理由を問いかけるが明帝は
「説明している時間はもう……」
と告げる。
すると今度は七宝が
「エネルギー反応急速に増大!!このままだとエネルギーに移動艇が耐えきれずに……」
と発言する。
「エネルギーが耐えられない!?まさか!!」
高御がそう告げた次の瞬間、モニターに映し出されていたエネルギー反応は大爆発を起こす。
「なっ!?こ、これは……」
その光景はこれまで同じ手段で何度も辛酸を舐めさせられたと言っていたアデルですら困惑を隠せないものであった。
いや、寧ろこれまでの経験があったからこそ困惑しているのかもしれない。
そう思うには十分過ぎる反応であった。
そして爆発が終わった後、その周辺は跡形もなく消し飛んでいた。
「こ、これは……」
「まさか、自爆……」
モニターに映し出されている消し飛んだ光景に一同は只唖然とするばかりであった。
「……ミスティ、各国政府に通信を」
それから少し経って高御がミスティにこう告げるとミスティは
「……ええ、もう繋いでいるわ」
と返答し、既に各国政府に通信が繋がっている事を告げる。
「高御さん、一体今の現象は何が起こったのです……」
繋がった通信の先で真っ先に口火を切ったのは日本首相であった、どうやら先程の爆発については既に情報が伝わっているようだ。
「……申し訳ございません、星間連合にしてやられました。
まさか奴等が降下してきた移動艇を自爆させてくるとは……」
日本首相に対し高御は誠心誠意を込めて謝罪を行う、それが今の彼等に出来る精一杯の事だからであった。
「してやられたのは承知しましたが、その結果多数の死傷者が出ています!!現在でも数万単位で現地では……」
「此方もです、このまま現地の混乱が続けばさらなる死傷者が……」
「医療スタッフや技術も不足しています、それに国民の動揺も!!」
「このままでは混乱で国が自滅しかねません」
各国首脳が揃って現状を告げると高御は
「それに関しては此方から技術や人員を派遣します、皆さんは直ちに声明を発表し混乱の収拾に当たって下さい!!」
と告げる。
その直後、室内の別の通信機に内部通信が入ってくる。
「内部からの通信!?この状況で一体誰が……」
そう言いながらその通信に対応したのは神楽であった。
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