第百三十話 新たな脅威が迫る時
移動を開始した高御はそのまま謁見の間へと移動する。
するとそこには既にミスティや神楽達が集合していた。
「あら、高御が一番遅いというのは珍しいわね。
と言う事は日本で何かあったという事なの?」
「ああ、僕達が見たあの滅亡の映像に繋がるかも知れない事態がね」
ミスティの問いかけに対して高い親御は高返答する、その表情は先程の偵察部隊に対して向けていた物とは異なる真剣かつ深刻な物であった。
「と言う事は偵察部隊が何か仕掛けてきたのですか?」
アデルが心配と共に申し訳無さそうな声を上げるが高御は
「いや、偵察部隊じゃない、だけど楽観視も出来ない新たな脅威だよ」
と告げる。
「新たな脅威……それは星間連合とは又違う脅威なのですか?」
「現状から判断する限りそうだろうね。
何しろその驚異は星間連合の偵察部隊に対しても襲いかかっていた。
幾ら何でも偵察先の星で猿芝居をする余裕があるとは思えないからね」
アデルが更に質問をすると高御は更に警戒心を強めた口調で話す。
その口調にアデルの心境も穏やかではないのだろう、瞬く間にその表情は更に硬く暗い物になる。
「さて、この事については詳細な説明が必要だろうから一番最後に説明するよ。
だからまず君達の方の報告を行って欲しい」
高御がこう告げると明帝は
「此方では降下地点付近を調べましたが何かが降下した痕跡は認められたものの、既に偵察員が潜伏してしまったのかそれ以上の手掛かりを見つける事は出来ませんでした」
と報告し、それに続けてエリーも
「此方でも同様です、且つ既に市街地に潜伏した可能性も極めて高いです。
只、神楽の設置してくれた機器を市街地内で確認しましたので時間は掛かりますが偵察員の特定は出来るのでは無いかと思います」
と言葉を続ける。
「しかし、その装置が上手く稼働するかどうかは……」
「それは私が確認したわ、そしてそれによって米国に潜伏しようとしていた偵察員を拘束する事が出来たのですから」
アデルの側近である兵士が心配そうな声を上げるがそれに対しミスティが言葉を続け、その装置が正確に作動していると言う事を証言する。
「正確に作動していたというのには安心しましたが、それで偵察員を拘束したというのは……」
「ええ、商業施設に入った所で偵察部隊の調査を確認したわ、そしてその拘束に成功した。
只、多少の抵抗は受けましたが」
別の側近の兵士も心配な声を上げるがミスティはそれにも続けて声を出し、その不安を払拭しようとする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます