第百二十八話 異形を拘束する時
「あの動き、明らかに戦闘訓練を受けているか、或いは戦闘に特化した生み出され方をしていますね。
となると何処かで生み出された戦闘用生物なの?」
「この状況で冷静に分析していられるのは流石と言うべきなのでしょうか?」
高御が戦況、異形を分析し始めると部隊長は皮肉とも状況説明とも取れる発言をする。
それに対し高御は
「やはり此処は身柄を拘束した方が良さそうですね、因果の鎖……その身柄を呪縛せよ!!」
と告げると地面から黒い鎖が出現し異形の身柄を拘束する。
「い、今の技は……一体何をしたのですか?」
「何をしたもどうしたも見ての通りだけど、あの異形を拘束して連れ帰るつもりです」
人物の一人が問いかけると高御は飄々とした態度で発言し、そのまま鎖が出現した穴の中に異形を引きずり込んで行く。
「と、取り敢えずはあの異形から逃れられたのでしょうか……」
「あの異形からは……な」
周辺に居た人物が異形が引きずり込まれた事に対しふと呟くと部隊長は異形からは逃れられたと告げる。
だがそれは自分達にとっての脅威が完全に過ぎ去った訳では無いと言う事を暗示していた。
その言葉と共に周囲に居た人物は一斉に高御に視線を向ける。
「さて、一斉に目を向けてきましたが、一体どうするつもりなんですか?ここで僕を一斉に討つと?」
高御がそう告げると共に周辺にいる人物達は一斉に銃を向けようとする、だが部隊長は
「先程の攻撃を見る限り、私達が此処で貴方に銃を向けて売った所で貴方を倒せるとは思えませんね……」
と告げると同時に銃を下ろす。
それを見た周辺の人物達も部隊長の心中を察したのか銃を次々に下ろしていく。
「賢明な判断ですね、で、これからどうするつもりですか?」
「それは私達の方がお聞きしたいですね、我々をどうするつもりなのか?
少なくともこのまま見逃したりましてや探し人に合わせて頂けると言うのではないのでしょう?」
高御がその行動を賢明と告げると部隊長は更に問いかける。
「そのご検討も大体は付いているのではないのですか?」
「……ええ、先程の異形と同じ様に我々も身柄を拘束する……でしょう?」
高御がそれに対して更に返答すると部隊長は項垂れた表情で呟き、それに対して周辺の人物も同意した表情を見せる。
「ええ、そうするつもりですよ。
但し、先程の異形と同じ場所に入れるつもりは毛頭ありませんが」
高御は部隊長に対してこう告げると部隊長達を拘束する事を告げる。
だが異形と同様の扱いはしないとも合わせて伝える。
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