第百九話 任務を遂行する時
「どうやら先遣隊が予定と異なる場所に転移してしまったという報告は事実だったようだな、至急この件を上層部に通達せよ!!」
「了解!!」
部隊長と思われる兵士が部下に対しこう指示を出すとその部下は機体内部の通信機を操作し始める。
その様子を見ていたシュガーとソルトが
「敵の通信を傍受したよ、どうやらワープが予定と異なる場所に起こってしまった事を上層部に報告しているみたい」
「交戦よりも通信、報告が優先か……敵も基本は分かっているようね。
良いわ、敢えて通信させてあげなさい、その方が敵の侵攻が却ってゆっくりになる可能性がある」
と告げるとその場にいる全員が通信を敢えて見逃す。
「あの部隊、此方が通信を送っているにも関わらず攻撃してこなかった、と言う事は甘い集団の集まりなのか?」
「もしそうであれば隊長……」
「ああ、このまま敵を突破し、我々本来の任務を遂行する!!」
攻撃を仕掛けてこなかった事を見て部隊長はそれを好機と考えたのか、一同に向かって侵攻してくる。
「眼の前の敵に対しては攻撃か、この状況では懸命とも言えるし無謀とも言えるね」
「ええ、ワープゲートが開きっぱなしになっている以上、此処で下手に後退すれば拠点に敵を招き入れてしまう事に他ならない。
となると、此処の兵器が任意でワープゲートを操作出来ると言う訳では無い様ね」
大果と雛がこう告げると同時にソルトは
「だとしても此処から先に行かせていいと言う事にはならないよ、皆!!」
と言い、全員に対して檄を飛ばす。
するとその場に居た全員が
「ああ、その位分かってる!!」
と言って応戦体制を取り、侵攻してくるベルマー、マルティーと対峙する。
そしてそのまま双方は交戦体制を取るのであった。
「初めての戦場だけどやってみせる!!基本通りに戦えば行けるはず」
ライドルはそう言いながら敵陣に対してプラズマビームやレーザーを放ち、星間連合機の幾つかを撃墜していく。
その操縦と狙いはとても初めての実践とは思えない。
「やるわね兄さん、私も続くわよ!!」
アミサはそう言いながら機体の左右から小型兵器を飛ばし、左から出した兵器には先端から短剣を展開し、右から出した兵器からはビームを発射していく。
「クリスード・スレイブ!!行け」
そう言うと小型兵器は星間連合機の集団に向かっていき、単機を確実に仕留めてその数を減らしていく。
更にそこから逃れた兵器も目の前に現れた
「パルスター・アールとクリスード・アールの連携から逃れられると思わないで!!」
というライドルの声とともにガトリングガンで貫かれて撃沈する。
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