第九十九話 第二テストが始まる時

「起動しましたね、しかし兵器の数が兵の数より多いようですが?」

「その理由は直ぐに分かりますよ」


兵士の一人が神楽に対し兵器の数について質問すると神楽は直ぐにその理由が分かると言う。

何かを考えているのだろうか?


「さて、早速だけどその機体を動かしてくれるかな?そうしないとテストも何も無いからね」


神楽に促されるままにアデルと兵士は機動兵器の操作を開始する。

すると兵器はスムーズに動き出し、乗り込んだとは思えない程の動きを見せる。


「凄い……我々が今まで培ってきた操作技術がそのまま使えている」

「しかもこの性能、我々が乗ってきた兵器より明らかに性能が上ですね、しかも動き、武装もしっかりと再現されている」

「力で作り出したとは思えない位凄いですね!!」

「一応言っておくときちんと整備とかも出来るからね。

さて、そろそろ次のテストを開始しても良いかな?」


アデル達がその性能に感心している中、一部失礼とも取れる様な発言が混ざる中神楽は次のテストを開始してもいいか尋ねる。

それに対しアデルが


「次のテスト?まだ何かあるのですか?」


と尋ねると神楽は


「ええ、次は君達の力、そして僕達との連携を見せて欲しい!!」


と告げる。

神楽がそう告げると同時に部屋の雰囲気が変わり、突然宇宙空間のような真っ暗な部屋へと変貌する。


「これは……宇宙空間?」

「い、いえ……先程まで室内に居た筈ですが……」

「と言う事はつまり、この空間も神楽さんが作り出したものなのですか?」


兵士達もアデルも困惑した声を上げるが、アデルが辛うじて理性的な問いかけを行うと神楽は


「ええ、そして作り出せるのは空間だけじゃないよ」


と告げ、更にアデル達の前に何かを出現させる。

それを見た兵士の一人が


「えっ?あれは!!」


と明らかに動揺した声を上げる。


「あれは……私達が乗ってきた兵器!?」


別の兵士がそう告げると同時に一同は目の前に視線を集中させる。

そこに出現したのは他でもないアデルや兵士が此処に来るまでに搭乗していた平気であった。


「そう、君達が乗ってきた兵器のデータを再現した物だよ、君達には今からあの兵器と交戦してもらい、その兵器をどれだけ扱えているかを見せて欲しい。

性能上はあの機体をベースに更に向上させた物だからアドバンテージは君達の方にある」

「つまり、僕達が目の前の兵器を迎撃できるかどうかを見たいという訳ですね」


神楽が説明するとアデルが返答し、神楽はそれに対して黙って頷く。

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