第百話 兵器がぶつかる時

「今まで私達が使ってきた力が今は私達に向かって来る訳ですか……しかし此方側の兵器の数が多いのはどういう意図がお有りなのです?

まさか我々の予備機と言う訳では無いでしょう」


兵士が神楽に問いかけると神楽は


「ええ、残っている兵器は一部は無人機、そして此方側の兵士が搭乗しています。

貴方達の兵器を我々が暑かった場合どの様なことになるのか、又それぞれの連携に付いての今後の方向性を探る目的もあります」


とアデル達の兵器を多めに出現させていた理由について説明する。


「言うまでもない話ですが、敵部隊も当然攻撃してきますのでくれぐれも油断しないようにお願いします。

万が一の事も考えられなくはないですからね」


その直後に神楽が話した発言は忠告とも誂いとも取れる口調であるが、何方かと言うと前者の意味合いが強い事は容易に想像出来た。


「では、交戦を開始して下さい!!」


神楽がそう告げると同時に目の前に出現している兵器はアデル達に攻撃してくる。


「つっ!!攻撃してきたか……パターンは既に把握しているけど……」


攻撃を回避しつつアデルはこう告げると目の前に出現している兵器に対して攻撃を仕掛ける。


「性能は把握していますが、兵器の操縦系統が異なるとこうも動きが変わるものなのですか……」


兵士の一人が困惑した声を上げるが、神楽が出現させた兵器はその鋤を逃すこと無くその兵士に迫ってくる。


「つっ、油断したわけではないのに……」


兵士はそう告げると回避体制を取ろうとするがその兵器の攻撃の方が早く窮地に陥りそうになる。

だがそこに別の兵器が乱入し攻撃してきた兵器を撃墜しその兵士を守る。


「あ、ありがとうございます……」


兵士はその兵器に対して御礼の言葉を述べるがその兵器はそれに対して反応する事無くその場から移動していく。


「此方の言葉に反応が無い?」

「先程神楽さんが告げていたけど、此方側の兵器にも無人機が居ると言っていたからあの兵器がそうなのかも知れない。

それよりも……」


兵士が疑問を口にするとアデルがそれに対する回答を用意するが、その言葉の最後の部分には若干の怒り、或いは情けなさが感じられた。


「は、はい、あの様な失態はこれ以上繰り返しません!!」


アデルの口調から何かを感じたのか、兵士は自分自身に対しても何かを言い聞かせる様な口調で話す。

そのまま兵器に対して接近していき、手持ちの武装を兵器に向けて撃ち、正確な精度で中心部分を射抜く。


「やはり攻撃動作は同じ様に扱えますね、これは良い」


武装を扱った兵士がこう告げるとアデルは


「確かにその通りだね」


とその言葉を肯定する。

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