第九十七話 力の解説をする時
「ええ、私の持つ力は想像する力。
様々な物を思い描き作り出す事が出来ると言う代物です」
アデルの絞り出した様な質問に対し神楽はこう答える。
「それは分かりましたが、その力は一体どうやって……それにどの様な経緯で……」
「それが……正直に話すと僕達にも詳細は分かっていないのです。
只手に入れる事になった、としか言い様がありません」
アデルが更に質問をすると高御がこう答える、その顔は真顔であり、虚言で取り繕っている様な雰囲気ではない。
「つまり偶然手に入れる事になったと?しかし、そんな危険な力を……」
兵士が思わずか当然というべきか高御に詰め寄ろうとするがアデルは
「その辺りにしておいて。
彼等にも色々な事情があるんでしょう、それにその力があったからこそ反逆者の部隊を退け、僕達を此処に迎え入れてくれた、そうではないのですか?」
と兵士を諭しそれ以上の問いかけを行わない様に促す。
それを聞いた高御は
「ええ、その通りです。お察しが早くて助かります。
只、それでもこの力を入手した経緯はお話しておいた方が良さそうですね」
と告げ、アデル達にこの力を入手した経緯を話す。
それを聞いたアデルは
「そうですか……その様な事があったのですね。
しかもその力を得た時に見えたのが滅亡の世界又は未来……」
と絶句しているような、辛うじてこう言葉をこぼす。
「となると反逆者の部隊を退けるだけの戦力を整えていたのももしかすると……」
「ええ、その破滅に抗う為の力として用意しておいた物です」
「それを態々我が方に貸して下さるとは……」
「いえ、貴方達が反逆者と呼称する部隊も十二分に脅威になりますし、それに……」
「それに……?」
「それにその滅亡の未来又は世界を齎すのは星間連合かも知れない、そうおっしゃりたいのでしょう」
兵士と高御の会話が続く中、高御が急に言葉を詰まらせると兵士は更に問いかけようとするがそれに対して答えたのは高御ではなくアデルであった。
「ええ、実際そうではないかと、少なくともその可能性はあると考えています。
仮にそうであったなら星間連合のトップを討つと言う事は貴方達だけでなく此方側にとってもプラスになる話です。
最も、そうでなければ協力しないという訳ではありませんが」
高御がそう告げるとアデルは
「そうであるとするなら尚更此方の防衛戦力を早急に整える必要がありますね。
それが結果として星間連合の打倒に繋がるかも知れません」
「ええ、課題は山積みですが」
と高御と協力していく意思を改めて示す。
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