第五十二話 遂に人と出会う時
更に辺りを見渡すが、人の姿は見当たらない。
「一寸……流石に人が居なさすぎなんじゃ……」
「ああ、警備員すらも見当たらないとなると流石に居なさすぎだ、警備自体はゲートと同様に兵器がやっているのだとしても議員までロボットがやっているわけじゃないだろうに……」
舞桜夫妻が困惑した声を上げると同時にその声の中に含まれているであろう不安は確実に他の面々にも伝染していきそうになる。
「このままでは国会議事堂に来た意味が無くなってしまいます、何とか情報を集めなければいけません。
何とかして人や情報を調べられる場所を探さなければ……」
代表者がそう告げると一同はその場から一旦その場から離れていき、近くにある場所へと移動していく。
そこから暫く行くと漸く人を見つける事が出来た。
「あそこに人が居ますけど、どうします?
今の状況で話しかけて良いものかどうか……」
「確かにリスクは高いですね……ですが此処まで来て情報を得られないままに戻る訳には行きません、此処は話しかけましょう」
だが代表者がそう告げた直後にその見つけた人が先に
「あの……此処で何をしているんです?」
と話しかけてくる。
その外見はどうやら若年層の若い女性の様だ。
「あ、いえ、この辺りに人が居ないので一体どうしたのかなと……」
舞桜夫妻の妻がこう告げると同時にその女性は
「え!?この辺りに来る人なんて基本的にいませんよ、来る意味が有りませんから」
と怪訝な表情を浮かべて一同に返答する。
「来る人が基本的に居ない?意味が無い?一体どういうことです?」
余りにも呆気にとられた回答だったのか、舞桜夫妻の妻が更に問いかけると
更に夫も
「ええ、この辺りに人が居ないなんて有り得るのですか?私達が知る限り政府に不満がある人が誰かしら居た筈なのだけど……」
と言葉を続けるとその女性は
「政府に不満……ですか?今はそんな人は居たとしても集まったりはしませんよ。そんな事するよりも伝達してくれる仕組みが出来上がっていますから」
と更に怪訝な表樹をして返答する。
「まあ、それ以上に昔の戦争がきっかけとなって不満なんて言っている場合じゃないって言う人達が圧倒的に多くなっていますから」
更に女性が言葉を続けるとその場に居る全員が困惑した表情を浮かべる。
「え……戦争が切っ掛け?不満なんて言っている場合じゃない?一体どういう……」
「そもそもあなた達は一体何者なんですか?まあ、色々お話し過ぎた部分は私にもありますが……」
困惑や質問ばかりを繰り返してしまった一同だったが、此処に来て女性が言われてみれば当然の疑問をぶつけてくる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます