第三十七話 動く為に動く時

「駅の出入口にもゲートらしき物が設置されていますね……恐らくあれも何らかの証明が無いままに近付くと反応を感知されて機械が集まってくるのだと思います」

「ああ、だとすると電車経由で移動するのも困難だな……」


舞桜夫妻がこう話しているとそこに


「何かあったんですか?」


という声と共に民間人が一人一同に話しかけてくる。


「え!?それは……その……」


突然話しかけられた事に一同は困惑を隠せない。

それに対して


「いえ、私達はその……」


と話し始める舞桜夫妻の妻だがそこに


「私達は只この辺りを散歩していただけです、特に問題は有りません」


と代表者が声に出して一同の会話を止める。

するとその人物は


「そうですか、では」


とそっけない返答をしながら一同の前から去って駅の方に向かい、ゲートを通過しいく、襟元を触りながら。


「どうして散歩しているだけだと言い切ったんです?あの人に電車のゲートの事を……」

「それを聞いた事で私達が外部から来た人物であると気付かれる可能性があります、そうなれば守護転輪に連絡されてしまうかも知れません。

ですがあのゲートがあると乗り物に乗るのは不可能に近いですね……仕方ありません、ここは……」


小鳩夫妻の妻が代表者に問いかけると代表者はこう返答し、現状で民間人に質問をするリスクについて説明する。


「確かにその可能性はありますが、民間人が守護晴天に協力するものなのですか?」

「確かに俺達の感覚からすると考えにくいが、既に日本は俺達の知る日本とは違う状態になっている可能性だってあるんだ、サミット開催前の日本と同じ感覚で行動しないほうが良い」


小鳩夫妻がこう話し、一応の納得を見せた後に代表者は


「なのでやむを得ません……此方を使って移動する事にします」


と告げ、目の前に何かを出現させる。


「これは?何が起きているのですか?」


小鳩夫妻の夫が聞くと同時に目の前の空間が揺らいでいるような印象を受ける光景を見せられる。


「空間が揺らいでいる?一体何が起きているのですか?」

「輸送機の中に積んでおいた移動用車両です、それを今空間移動でここに移動させています。

本来であれば使いたくはなかったのですが……」


小鳩夫妻の妻が代表者に質問すると代表者はこう返答し、目の前に移動用の車両を出現させる。


「これが移動用車両……見た目は大きめの車の様ですが。

使いたくなかったというのは……」

「此方の移動車両が反逆者側に見られてしまう可能性があるからです。

当然向こう側も此方の車両は把握していまるからね」


小鳩夫妻の夫が代表者に問いかけると代表者はこう返答する。

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