追憶

第52話 酌み交わすもの

 神が二体、それぞれの種の王となった。


 遠い昔のある日、その宴が朝から夜明けまで開かれた。

「見事な舞だった。日の光を賛美しているのがよぉく伝わったぞ。なぁ、クリア・サンストーン?」

「グリーン・ムーンストーン、あまりはしゃぐと夜までもたんぞ。お前たちの、月の光を讃える舞の途中で居眠りでもしてみろ。追うだけでなく民までもが我らの笑い種にされるぞ」

「クリア・サンストーン、本当に酒を吞んでいるのか? 王が民の舞に盛り上がらんでどうするよ」

 グリーン・ムーンストーンと呼ばれる男が、クリア・サンストーンの肩に腕をかけた。

「お前の楽観ぶりの方が称賛ものだな」

 クリア・サンストーンは酌女を退けさせて、酒の入った発酵実を抱えた。同時にグリーン・ムーンストーンの腕を払った。

「言いたいことがあるなら、聞くだけ聞いてやる。来い」

 グリーン・ムーンストーンの目に、男の筋肉張った両脚が映った。

「ま、俺らがいなくても民たちは楽しく呑めるだろ」

 グリーン・ムーンストーンも立ち上がった。

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