第12話
「よう」
「ん?あぁ」
「我が友」
「どうしたんだい?」
「んや、別に」
「お前の姿が見えたから」
「話し掛けただけだ」
「特に意味はねぇよ」
「へえ、ボクの姿を見て」
「ここまで来てくれたのかい?」
「それは、随分と嬉しい事だね」
服を脱ぐ。
それを見て黙る。
「……」
「我が友が」
「ボクの為に」
「向かって来てくれるだなんて」
「なんだろうね」
「少し暖かい気分に浸ってしまうよ」
更に服を脱ぐ。
シャツを脱ぎズボンを脱ぐ。
其処で八峡義弥は声を掛ける。
「………おい」
「はは、なんだか」
「照れてしまうね」
「少し、体が火照ってしまう」
更に服を脱ぐ。
八峡義弥は其処で声を張り上げる。
「イヌ丸ッ」
「ん?なんだい?」
「なんだい?じゃねぇよ」
「何服脱いでんだよ」
「前から言ってるがな」
「お前はどうしてこう」
「服を脱ぎたがるんだよ」
「……んー?」
「ボクが服を脱ぐ理由かい」
「そうだね、強いて言えば……」
「衣服は拘束具に過ぎない」
「ボクにとってはね」
「……」
「意味分かんねぇよ」
「そうかい?」
「まあ要するに」
「獣が服を着るのかい?」
「って事だよ」
「益々意味が分かんねぇよ」
「それらしい事言って」
「してやった顔すんじゃねぇ」
「ふふ」
下着に手を掛ける。
八峡義弥は無理に止める。
「だから脱ぐんじゃねぇって」
「お前実は」
「服脱ぎたいだけだろ」
会話終了
次話に続く
https://kakuyomu.jp/works/1177354054921548160/episodes/1177354054921766685
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