ハウント

 突如として体育の時間で行うことになった『ハウント』は、2つのチームに分かれて戦うスポーツだ。



 両チームは『攻撃側』『防御側』に分かれて5分間ずつ交互に攻撃を行う。



 攻撃側は『シューター』と呼ばれ、防御側は『ラビ』と呼ばれる。

これは貴族の昔からの遊びである『狩り』から着想を得ている為だ。


 攻撃側(シューター)の目的は、防御側(ラビ)に術弾(ブレット)を命中させて転倒させること。


 防御側(ラビ)の目的は、攻撃側(シューター)から放たれる術弾(ブレット)を避け続けることである。


 最終的により多くの生存者を残していたチームが勝ち、というシンプルなルールであった。



「シューターが使う射撃手袋(ショットグローブ)は事前にオレが用意している。だがまあ、何時も通り自前のものを持っているっていうやつは、そっちを使っても構わないぜ」



 シューターの役割を持った人間は、それぞれ手袋型の魔道具を装備する決まりとなっているらしい。


 この魔道具からは3種類の術団が射出される。


 それ即ち、スピードに特化した槍型、バランス型の球型、軌道に変化を付けやすい円盤型だ。


 どのタイプの術弾も肉体に対するダメージはないが、プレイヤーに命中すると衝撃波が発生するようになっているのだとか。



「なるほど。つまりは攻守に分かれて戦う、ドッジボールみたいなイメージっスね」



 隣で座っていたテッドが珍しく的を射た言葉を呟いた。

 ドッジボールとは俺のいた200年前の時代にはなかった、比較的歴史の浅い球技スポーツだ。


 実際にプレイしたことはないのだが、本で読んだので俺も大まかなルールは知っている。



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