ポヤとペペ

むーこ

ポヤとペペの出会い

戦争によって多くのものが破壊された街でポヤは1人、痩せこけた身体を引きずってねぐらを探す。

両親は避難しきれずに亡くなった。親戚の安否もわからない。街には孤児院があるが子供の入れ替わりが激しすぎて信用ならない。

ポヤは1人で生きていくしかなかった。

 

 

 

ある日、ポヤは役人を名乗る男から声をかけられた。


「この街に散らばっている物を復興の役に立てたい。でも人手が足りないから手伝って欲しい。報酬にご飯をあげるから」


信じていいのかわからないながら、ポヤは役人の要求を飲んだ。

 

 

 

殆ど瓦礫しか残っていないような街の中を、ポヤは人が暮らした痕跡を拾って歩く。カメラ、指輪、空き瓶…これらは全て役人が預り、引き換えとして芋団子2個と脱脂粉乳をくれる。

大きな物を運べばもっと沢山芋団子をくれるかもしれないが、非力なポヤは我慢せざるを得なかった。


 


役人から受けた仕事をしている最中、ポヤは人買いの悪漢に拐われそうになり瓦礫だらけの街を逃げ回った。

どこに売り飛ばされどう扱われるかもわからないのに、捕まってやるもんか。

痩せた身体で精一杯逃げるポヤの前に大きな影が現れた。

使い古されたブーツ、カーキ色のズボンとコート、半分だけズボンから出てしまった泥だらけのコートに軍帽。物々しい外見をした若く逞しい大男。

身構えるポヤの後ろで、人買いがヒッと声を上げ走り去る音が聞こえた。


「おチビさん、おともだちになってよ」


大男がポヤの前にしゃがみ人懐っこそうな笑顔を見せた。その拙い口調から恐らく幼児退行したのだろうとポヤは踏んだ。

そんな人間幾らでも見てきたが関わりたくはない。ポヤは男に背を向け走り出した。

大男はポヤについて来た。ポヤは男を無視し続けるが、男は離れる素振りすら見せない。

追い払おう。顔を険しくして振り返るポヤの目に、大きな壁掛け時計を抱えた男が映った。




戦争によって多くのものが破壊された街で、孤児のポヤは幼児退行した大男と一緒に物拾いをしている。大男の名前はぺぺ。ポヤが名付けた。

ポヤが装飾品等小さなものを拾い、ぺぺが機械や家具等大きなものを拾う。すると役人が(何故か怪訝な様子ながら)少し多めに芋団子をくれる。

ぺぺはポヤにとって良いビジネスパートナーなのだ。

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