トビラのくにのアリス
七瀬モカᕱ⑅ᕱ
トビラをあける。
おでこの辺りにふわふわした感触がして、目が覚める。ふわふわしたものは、もぞもぞと動いて形を変える。
「ん.....?」
ふわふわしたものの正体は、白い色をしたうさぎだった。うさぎは、私と目が合うとにこりと微笑んで『やぁ、おはようアリス。』と言った。『うさぎが、喋った?』
私が、ぽつりと呟くと急にうさぎは大声で笑いだした。
『あははっ!キミ本当に覚えてないんだね.......ボクに会うのこれで四回目なのに.......じゃあ説明も一からかぁ......面倒だけど仕方ないよねぇ.....。』
「あの、どういうことですか?」
このうさぎが何を言っているのか、わけがわからない。四回目というのは、どういうことなのか。それから、【アリス】というのは.....。
『ちんぷんかんぷんって顔してる、そりゃそうか 。記憶が消えちゃってるんだし。』
記憶が消えている......ますます意味が分からない。私は夢でも見ていてるんだろうか。
『あぁ〜めんどくさい!説明するより実際行く方が絶対早いよこれ!本当は説明してからって決まりだけど、もう開けちゃおうか......トビラ。』
そう言うと白うさぎは、私の部屋にある姿見のところまでぴょんぴょんと跳ねていった。
「何が始まるんです?」
私がそう尋ねると、『まぁ見てなよ』とイタズラっぽく笑って自分の首にかかっているペンダントを外して欲しいといった。
『さぁ〜て、上手く開いてよ〜?』
白うさぎは、ペンダントを引きずりながら鏡の前まで行くと......意味のわからない呪文のようなことを唱え始める。
その瞬間、部屋は真っ暗なはずなのに.....私と白うさぎのいる場所だけが眩しいくらいに光った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます