死亡フラグ王道化しすぎて逆に死なない説

れのんNON

第1話 俺この戦いが終わったら結婚するんだ

「なぁハザマ、俺この戦いが終わったら結婚するんだ」

アツシはふとそんなことを呟いた 

戦いとは第二次月面大戦のことだ 西暦3000年となった地球にはもはや全人類を支えるだけの資源は残されていなかった だが月に資源があると分かるといなや各国がその資源を得ようと次々と兵士を送り込んだ

ハザマこと俺と今さっき死亡フラグっぽいこと言ってたアツシも資源獲得のために送られてきた兵士だ


「アツシそれ死亡フラグだぞ それにお前に彼女なんていたっけ?」

「ハザマ俺は思うんだ 死亡フラグはもはやテンプレ化しつつある 物語を読む読者だってこいつ死ぬなとかわかってしまったら面白くない 逆に考えるんだ"殺されてしまっても構わないさと" つまり俺はあえて死亡フラグをたてることでこの戦いを生き残る」

「生きることに執着してるキャラって結構死ぬイメージがあるぞ」

「これで俺が死んだとしたらこの物語の作者はなんのひねりも出せないクソ野郎ってことだ 俺が例えば敵国の兵士に銃で撃たれて死んだとしよう その場合その時俺を殺したのは敵国の兵士ではなく"作者"ってことなる」

「なぜならアツシは生き残るためにあえて死亡フラグをたてたのだから 通常死亡フラグというは自らたてるものではなく自然にたつものだから 死亡フラグの意味を理解しながらも死亡フラグをたてるということはいわば物語の作者への挑戦 なるほどそう言われてみれば死なない気もする」



「アツシ!ハザマ!出番だ」

隊長が俺たちを呼びに来た

「行くぞハザマ」

「ああ」


俺たちは月の資源を求めて戦っているわけだが月にいるというわけではない そもそも月に行くためのロケットの資源すらままならないのだから つまり俺たちは資源を得るために必要な資源を得るために地球で戦っている


「おいハザマあれはk国軍の幹部のアオザキじゃないか あんな大物がなんでこんな所に」

「アオザキは異能の力を使うという 銃しか使えない雑魚兵士の俺たちがかなう相手じゃないぞ」

「だが今日の俺はいつもと違う 死亡フラグを"敢えて"立てているのだから 確かにアオザキは異能の力を使える だが奴とて人間 銃弾一発当てるだけで致命傷よ アツシはここで見てな」

 

大丈夫なのか...?だが今日のアツシはいつもと違う いつもビクビクしてるアツシではないのだ 銃弾一発当てるだけでいい


「聞けこの物語の"作者"!!俺は死亡フラグを立てている さぁ殺せるものなら殺してみろ もっともそれはお前がテンプレ通りにしか物語を書けないクソ野郎だったらな!」


かませっぽい感じ...これも死亡フラグっぽい

いけるぞアツシ!

そしてアツシは走り出した 狙うアオザキまでの距離は30メートル そのアオザキというと戦場だというのに日光浴 部下もおらず絶好の機会 もはや邪魔するものはいない

そしてアツシは射程範囲に入った 

いける!いけるぞアツシ!

「くらえ!アオザキ!」

バン!その音は確かに鳴った

俺も急いで様子を確認しに行く

そこには血まみれのアオザキ...じゃない...嘘だ...

そこには腹を裂かれた無惨なアツシの姿が

「くそ...死亡フラグは生存フラグになってたはずなのに...」

息はあるがあと数分ともたないだろう

それにしても何が起きたんだ?

するとアオザキが不気味な笑い声をあげた

「ふっはははは!惜しかったなアツシとやら お前はこの世界の仕組みを理解するところまでは良かった

死亡フラグを敢えてたてるという発想も良かった お前のいうとおりお前のフラグは生存フラグになっていた だが相手が悪かったな!

俺の異能の力は"フラグブレイカー"と呼ばれている」

「フラグ...ブレイカー?」

「俺のフラグブレイカーはあらゆるフラグをぶち壊す それどころか逆にして返すこともできる お前らがいくら生存フラグをたてようと俺の前では無意味どころか死につながる つまりお前はフラグをたてた時に"死んでいたんだよ」

「ハザマ...逃げろ...」

「さっきから気になっていたがハザマとやら お前は友人が死んだというのにあまり悲しんでいないな ここは普通号泣するか怒りで力が覚醒!みたいな展開だろ」


「ああ...悲しいさ 何度も繰り返してきたが死亡フラグを逆手にとるなんてことは始めてだったから もしかしたらって思った でもそんなに甘くなかった」

俺はボロボロのアツシを抱き抱えた

「...?まさかお前にも異能の力が?これは面白い!!」

「いつもお前にアツシが殺さる 今回も同じだ だがお前の能力がわかった これだけでも大きな前進だ」

「私の能力が分かろうと結果は同じ!このフラグブレイカーを打ち破ることはできん!」

「ふん ほざいてやがれ」


俺とアツシは光に包まれていなくなった

さて...やり直すか この輪廻からいつ外れることができるのか それでもやるんだ


ッヅク!



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