第15話 王都御前会議

 一つの樹から削り出されて出来た高価な長い机に七人程の男たちが集まっていた。

 ここは、ルベリア王国の王都にある、この国の行政府つまり議事堂である。

 二百年前にこの国を導いた初代国王の御親友であった方が建造とこの行政の仕組みを考案なされ建てられた場所である。

 その方が我々民族にもたらした、文化は素晴らしく、独立するときや、戦争の時にも大いにご活躍されその人生を全うされ。

 87歳でこの世を去ったと先代国王から教えられた。

 そんな偉大な方が作られたこの建物に集められた者達はこの国に自分の領地を持った中の大貴族やこの国の国王のソルモール六世、その隣には、王国戦士長のバルバス・グラースの姿があった。

年に数度行われるこの御前会議では、それほど長時間ではなく、緊迫した雰囲気など一度もなかった。強いて言えば貴族同士の口論くらいだろう。しかしいま、この場には緊迫と緊張が入り混じり誰もがこの問題に頭を抱えていた。


「これは、どう対処する」

「言うまでもない!早急に討伐隊を出すしかないだろう!!」

「しかし、相手の戦力が分からない状況でうかつに手を出すのは、少々危険ではないか?」


 貴族達は少し考える。確かに相手の戦力が分からない以上手を出すのは悪手だ、しかし、自分たちの国にこんな者が居る事が万が一外部に漏れれば、他国からの人や物の流れに影響が出る、国の政治が傾く可能性が出て来るからだ。


「待ってくれ、もしかすると敵では無く味方かも知れんぞ」


 その場に居た全員が思い出す。


「あの十七英雄の様にはしてくれんのか?」

「分からんぞ、それ程の力を持つ者がそう簡単に力を貸すとは思わん」


 そしてまた無言になり考える。ここの国王も難しいかしい顔になった。


「しかし、その力を使うことが出来れば物資を消費せずに商品を作ることが出来そうだぞ」

「もし行って敵対してきた時はどうする」

「その為の討伐隊だ」


 皆はその言葉に「なるほど」と言い納得する。


「所で今街に居るアダマント級以上のハンターは何人いるのだ?」


 そう聞くと、扉の前に居た重装備の兵士が答えた。


「今は碧い月と不死鳥がいます」

「まさかアダマント級以上のハンターを討伐隊に入れるつもりか!」

「念には念を、ただの保険だ」

「所でアレを、見つけたクーロスの意見は何と言った?」


 冷静な表情で聞いてきたのはパスク・ヒースキ・ギフィリ公爵だ。


「彼もまた、怯えながら言ったよ「今すぐ殺せ」と」


 その後も会議は続き、結局シュヴィッツ連邦の傭兵を借り討伐隊を送ることとなった。

 

 場所は変わりここは、王宮の廊下を戦士長と国王が歩いていた。紅の絨毯にどこまでもありそうな長い廊下大きな窓からは日差しが入ってきている。


「すまない、あのような会議に出席させてしまって」

「そのようなことは御座いません、王の身をお守りするのが私の役目ですから。最近は貴族たちも王の座を奪おうとしています起きお付けを」

「そうだな・・・内戦だけは避けねばならん」


 建国以来一度の内戦もなかったこの国が今その疑惑が掛けられていた。祖先たちがつないできたこの由緒正しき国、それを脅かすものは許せなかった。

既に年老いた老王。先代国王の意思、国を守るという意思は彼が間違いなく引き継いでいた。

 この国の話をするとソルモールは、浮かない顔をしているが、さっきよりはましになったようにも見える。

 国王は自分の側近に頼みがあったことを言う。


「バルバスよ、最近・・王国に所属している。村が襲われている・・・どうか救って来てくれ」


 その言葉を聞きバルバスは王を見てこう言った。


「必ずや、村々を救って帰ってきます!」


 王も目を合わせ答えた。


「ああ、頼んだぞ!」

 

 

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