第149話 男根振動
「えーと……」
メスガ・キーラの聴取を終え、「是非お礼をさせてください!」という村の人たちの厚意を無下にするのも悪いからと少しだけ村に留まることにしたときのこと。
村の人達が今度こそ本物の「冒険者歓迎の宴席」を用意してくれるまでの時間に僕は宿で自分のステータスプレートをチェックしていたのだけど……そこに出現していたスキルに目を疑った。
男根振動Lv1
どういうことなの?
恐らくメスガ・キーラとの怒りックスで発現したのだろうその頭おかしいスキルに、僕は久々に目眩を感じる。
(いやけど、これまでのスキルは全部、名前はアレでも有用なものばっかりだったし……)
そう思い、残り使用回数の少なくなってきた鑑定水晶でスキルをチェックしてみた。
すると、
『男根振動:魔力を込めると男根が振動する』
いよいよ僕の〈ギフト〉も来るとこまで来ちゃったな……。
全然意味がわかんないや……。
悟ったようにそんなことを思う。
けどそんなことをしていてもスキルの効果はいまいちよくわからないので、僕は仕方なく試し打ちしてみることにした。
まあ男根が振動? するだけなら大したこともないだろけど、念のため最初は魔力をちょっとだけ――と男根に軽く意識を集中した。その瞬間。
ブイイイイイイイイイイイイイイッ!
「うわああああああああああああ!?」
とんでもない感触が股間で爆発した。
僕の男根が、残像? でも見えるような勢いで震えはじめたのだ!
そして太ももあたりに「ブイイイイイイイイ! ベチベチベチ!」と妙な感触を叩きつけてくる。
その突然の出来事に僕は驚愕し、振動する男根から逃れるように、ほとんど反射で男根分離を発動してしまう。
すると男根が震えながら地面に落ちるのだけど、
ブイ! ブイイイイッ! ブイッ! ブイイイッ! ゴリゴリゴリゴリ!
「うわああああ!? うわあああああああああ!?」
床に落ちた男根が凄まじい騒音を奏で始めた。
木の床の上で飛び跳ね、打ち鳴らし、とんでもなく耳障りな音を立てる。
さすがにヤバイと思い、慌てながら振動を止めようとしたそのとき。
「……エリオの悲鳴……!」
「あの、大丈夫ですか……?」
「なんか凄い音がしますけどどうしたんですかエリオさん!」
宴席に向け、隣室でお着替えをしていたアリシアたちが部屋に駆け込んできた。
そしてその3人の前に僕の男根が振動しながら転がっていき、
「ややっ、なんですかこれ! エリオさんの男根が激しく震えて!? なんだかくすぐったいような妙な感覚――あばばばばばばっ!」
キャリーさんが振動する僕の男根を拾い上げ、共鳴するようにぶるぶる振動しはじめる!
なにやってるの!?
「ちょっ、キャリーさん! それ実は僕の新スキルの実験中で、なにが起きるかわからないからすぐ放してください!」
「あばっ、あばばばばばばばばばばっ(そうは言われても、これを放したらまたさっきの騒音が響きますし、手渡ししようにも取り落としてしまいそうで――あっ)」
と、ぶるぶる震えてなにを言っているかわからないキャリーさんが振動男根を取り落とした。キャリーさんはそれを自分でキャッチするのだけど――震える男根を空中で捕らえるのは難しかったようで、自分の身体と手で挟みこむようにして押さえ込む。
すなわち、自分の股間に振動男根を押しつけるように。
その瞬間、
「っ!? ぼへえええええええっ❤❤!?」
「えっ!? キャ、キャリーさん!?
突如、キャリーさんが奇声をあげてその場に崩れ落ちた。
かと思えば、
「な、なんですかこれぇ!? ま、まったく未知の快感がアソコを襲って……あ、あ、あ、ぼへええええええええええっ❤❤!?」
「キャリーさあああん!?」
瞬殺。
股間にぎゅっと振動男根を押し当てたキャリーさんは瞬く間に頂へ到達。
ビクンビクンと痙攣しながら潰れたカエルみたいにひっくり返る。
「「……」」
そしてそれを見たアリシアとソフィアさんが黙っているわけがなかった。
「……そんなに気持ち良いの?」
「……あ、あ、エッチな匂いが部屋に充満して……っ」
そして2人は僕が止める間もなく振動男根に手を伸ばし、
「……っ❤」
「――っ!? ―――っ❤❤!?!?!?!?」
キャリーさん同様、あっという間にセルフ仲良しを達成してしまった。
その様子を僕が呆然と眺めていたところ、キャリーさんがひっくり返ったカエル状態から復活し、
「ピ、ピンときました! 私は聡明なハーフエルフ、キャリーペニペニ! このブルブル震える新感覚を魔石かなにかで再現して売り出せば世のお姉様方にバカ売れ間違いなしです! 商品名はそうですね……バカイキできるブっとい棒、を略してバイブ! 早速商人のルージュさんに提案してみましょう!」
「ちょっ、キャリーさん!?」
またなにかおかしなことを言い出したキャリーさんに僕は目を剥く。
が、
「……エリオ❤」
「え、ちょっ、アリシア!? もうすぐ宴会だからさすがにちょっと――」
メスガ・キーラにやってしまった怒りックスに触発され、もともと興奮していたのだろう。
一度の頂では到底満足などできないアリシアに襲われ、結局僕のスキル検証はそこで一時中断してしまうのだった。
……いやまあ、アリシアを鎮める過程でたくさん新スキルの〝検証〟をすることにはなったけど!
果たしてこのスキルがベッドの外でどう役に立つかは、また日を改めて検証することになりそうだった。
―――――――――――――――――――――――――――――
執筆時は多分疲れてた。
振動するキャリー・ペニペニストラップとかグッズ化しないですかね(欲しい)
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