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『悪魔の子』と呼ばれる子が誕生して暫くたち--。


国の発表によると、

子は機嫌を損ねると空間を歪めてしまうらしい。

歪んだ空間は凶暴な未知の生命体を生み出す。

自衛隊が出動して命と引き換えに排除した。


しかし、赤ん坊の周りの数値異常は改善できなかった。

今後のためにも研究施設に送り込む事にした。



研究の結果、異常空間の抑制に成功。

どうやら赤ん坊を電波を遮断できる容器にいれることで少し防げるらしい。


問題の子を隔離容器に閉じ込め、数値検査と改善の研究を続行。



研究室は全部で三つ。


第一研究室はデータや状況を纏め、科学的対処や器具などの開発をする。

エリートが安全圏で研究を進めている。


第二研究室は政府に研究成果と現時点の科学的対処を纏め提出。今後の対策を進言する。

政府と研究室の架け橋となる。


第三研究室は…問題の子の近く、傍で直接データをとり、第一、第二研究室にデータを送る。非常に危険なため、給金が一番高額だ。

所謂、替えのきく捨て駒研究員だ。



俺は、第三研究室に属している。



メンバーは五名。




女性二名。男性三名。



「何なんだろうね。 数値がでたらめで電波障害も激しいし、精密機械はすぐ故障。隔離施設は機械全般ろくに使えやしない。」

「電灯さえも怪しいわよ。 あーやだやだ。 こんな仕事請けるんじゃなかった。」


研究バカと、金目当ての研究員。



黙々と研究しているのは一人。



俺はそいつの横で 仕事をしているふりをしていた。


「アンタも金目当て?」

無駄口を叩く女研究員が声をかけてきた。

「さーな。」

俺は適当に流して、使えもしない機器をふきあげる。

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