第29話 キスをしなさい

 眩暈めまいがするほど濃厚で甘美な匂いが、僕の鼻孔をくすぐった。


「ぼッ……、僕は、ショーです。

 玉井 ショー……😅💦💦」

 笑って誤魔化した。

 

「ふゥ~ン……、じゃ、たまショーねぇ」


「え、玉ショー……😓💦💦💦」

 確かにくちの悪い友人からは、そう呼ばれることもあった。



「よく覚えておくわァ~…✨👄✨💕💕」

 今にもキスしそうなほど僕の顔に唇を近づけてきた。


「はァ~…😳💦💦💦」

 思わず、全身が熱く火照ほてってしまう。


 ドキドキするほどあでやかな美少女だ。



「じゃ、許してくれるンですか……😳💦💦」

 ふゥ…… 良かった……。


 取り敢えず警察沙汰にならなくて少しだけホッとした。



「あァ~ら……、許したなんて、ひとことも言ってないわよ……✨👄✨✨💕」

 甘い吐息が僕の頬を撫でていく。



「えェ……そ、そんな……」

 どうしよう……。

 やはり住居不法侵入になるだろうか。


 コーヒーも飲んだから窃盗も加わったりして。

 ヤバい……。



 もし捕まったら、どの程度くらいの罪に問われるのか。


 そんな事になったら間違いなくママにしかられるだろう。



「フフ……、玉ショー❓❓

 どうしても許して欲しい」



「は、ハイ…… 許して下さい🙏💦💦」

 許してもらえるなら、土下座しても構わない。



 こんな所で警察の厄介になったら、ママに顔向け出来ない。




「じゃ、キスをしなさい……✨👄✨✨💕」

 



「えェ~ー~……😲💦💦」

 なんだってェ……❗❗❗

 キス……。

 


 いきなり『キスをしろ』だってェ……。




 まったく意味が解からない。






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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