第60話 返して!(2)

「なんで、一緒に行動していたムンネとアイちゃんがソロなのよ!」

 訳が分からない優子が食い下がる。

 エムシーが面倒くさそうに説明した。

「えーっと、あなた、優子さんですよね。あなたがパーティを組んでいるのはそちらのヤドンさんで、担当女神がプアールさんですよね」

「そうよ!」

「でムンネさんは、ヤドンさんの婚約者ですが、優子さんたちとパーティは組んでおりません。アイちゃんも同じく、行動は共にしていますが、パーティーを組んでいません。と言うことで、お二人はソロと言うことになります」

 言葉を失う優子とプアール

 ――はい?

「と言うことは、私たちは何もないってこと?」

「そうですが……分かっていただけました?」

「そんなの納得できるかい!」

 エムシーの足を引っ張る優子とプアール。

「だったら、ステータスで確認してくださいよ。ご自身のパーティを!」

 優子はさっとステータスを開いた。

 何々、現在のパーティの構成員はヤドン

 確かに、ヤドンだけだった……

 そうだった、二人ともパーティを組むって言う約束を交わしてなかった。ムンネなんかヤドンにべったりだったから、てっきりパーティ契約してたと思ってた。アイちゃんに至っては、ゾンビだから意思確認なんてできはしない……

 うなだれる二人。

 ――私の時間を返して……


 ムンネとアイちゃんが、何やら棒を持って降りてきた。どうやら聖剣エクスカリバーを選んだようである。

 しかし、そのエクスカリバー、どう見ても剣には見えない。手に持つ柄の先に、何やらフニャフニャした棒がついている。その棒は90センチほどのシリコン製か? その先端は、少しは剣らしく、矢印の先端のようにかかりがついている。ただ、一方向であるが……

 これは、どうみても大人●おもちゃ!

 巨大バ●ブではないか!

 優子が怒鳴った。

「これのどこが聖剣エクスカリバーなのよ!」

 帰り支度をしているエムシーが、本当に面倒くさそうに答えた。

「聞き間違いしているのはあなたたちでしょうが! それこそ性剣セ●クス・カリ・バーですよ!」

「はぁ? 何? もう一度言って!」

「だから! 性剣セックス●カリ・バーですよ! 誰が聖剣エクスカリバーなんて言ったんですか?」

 優子が白い目でプアールを見つめた。

「えっ……私ですか? 聖剣エクスカリバーって言ったかなぁ? テヘ」

 自分の頭を軽くこづいて舌を出すプアール。

 全然、可愛くない。

 全く可愛くない。

 アイちゃんが、そんな優子に同情したのか、性剣を突き出した。

「これくれるって言うの……アイちゃん」

 目頭を押さえる優子。

 ――アァァアァ

「いらない!」

 優子は手で払いのけた。

「なんでそんなもので私が遊ばないといけないのよ!」

 ――これでも、この世界では私はまだ処女よ!

「そんな大きい物、使えるわけないじゃない!」

 拒絶する優子にアイちゃんはさらに押し付ける。

 更に手を振る優子。

「なんだ、それいらないのなら、俺がもらうわ!」

 ヤドンが横からアイちゃんの性剣を奪い取った。

「きゃぁ! 旦那様! 逞しいですわ」

 ムンネがヤドンへと駆け寄ると、自分の性剣も押し付けた。

「旦那様、ぜひ! 私のもお使いくださいませ。そして、その二刀をもって、ムンネを責めてくださいませ」

 ココに、性剣セ●クス・カリ・バーを二刀持つ変態勇者ヤドンが誕生した。


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【アイちゃん! お腹いっぱい!】


氏名 アイちゃん

年齢 6歳

職業 ゾンビ

レベル 5→10 


体力 100→1,000

力 10→38

魔力 0

知力 0

素早 3→5

耐久 100→299

器用 1

運  1

固有スキル 突然変異

死亡回数 1


右手装備 ビニール袋

左手装備 なし

頭装備  ツインテール

上半身装備 赤い服

下半身装備 赤いスカート

靴装備 赤い靴


攻撃力 15→87

守備力 10→53


所持金 100→50,100

パーティ なし

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