第27話 脱!トラウマ!?

シーーーーーーーーン


俺が今思っていることを伝えてからどのくらいの時間が経ったのだろうか。

何故か家族は黙っているし、花蓮さんも話せる空気じゃないと思ってか黙っているからすごく緊張した場の完成だ。


「………幸也、今言ったことは本当に本心か?」


この緊張した場の沈黙を最初に破ったのは父であった。


「うん。今さっき言った通り、俺はもう一度バスケがしたい!だからもう一度やらせてください。お願いします」

「私からもお願いです!幸也君は今、頑張って克服しようと努力しています。なのでもう一度バスケをさせてあげてください!」


自慢の息子よ!」


「「えっ!?」」


「フフッ、花蓮ちゃん安心してね。私達は幸也がまたやりたいと言った時には笑顔で『おかえり』って言うつもりだったのよ」

「母さん、それほんと?」


「母さんの言う通りだぞ幸也。お前はバスケをしている時が一番輝いている。U15に選ばれた時なんかは流石は自慢の息子だと思ったぐらいだ。だからこそバスケを辞めると聞いた時は悲しかったが、母さんと茜と話して、もしまたやりたいって言った時には輝いている息子が帰ってくると言うことだから『おかえり』って言おうと決めていたんだ」


「うえ〜ん!またにぃにのカッコいいバスケのプレーが見れるんだよね?私が好きなにぃにのプレーが見れるんだよね?にぃにのファンとしてすごく嬉しいよ〜」


「ちょっ、泣くなって茜。でも、待っててありがとな。そう言ってくれてすごく嬉しいよ」

「よかったね幸也君!」

「あぁ!皆、こんな俺を待っててくれてありがとう!そしてお待たせ!また頑張っていくよ!」

「母さん、今夜は赤飯だぁぁぁぁぁぁぁぁ」



「ところで二人は付き合ってるのかしら?」

「いえ、まだ付き合ってません」(ボフッ)

「付き合ってねぇよ、俺なんかじゃダメだろ」

「……ダメじゃないもん」ボソッ







「母さん、ちょっと花蓮さんと散歩しながら近所案内してくるわ」

「夕飯までには帰ってきてね〜」

「わかってるって。じゃあ行こっか」

「幸也君、ありがとう!」



「ここが市民図書館でここからもう少ししたところにバスケットコートがある公園があるんだ!」

「すごくいいところだねココ!」

「他に見てみたいところとかあるかな?」

「それなら幸也君の母校を見てみたいな〜!ダメかな?」

「ここから近いし花蓮さんが見たいって言うなら行こっか!」


「それにしても幸也君、ほんとに良かったね!」

「あぁ。てっきりもうやるなって言われると思っていたからビックリだよ。しかもあんな風に思ってくれてたと知ったら余計ね」

「私感動しちゃったもん」

「ははっ、花蓮さんが俺に勇気を与えてくれたから少しずつ前に進めれるようになったんだ。本当にありがとう!」

「どういたしましてだね!」


「着いたよ。ここが俺の母校湘南中学校だ!」

「わぁ〜なんか趣があるね!」

「ストレートに古いって言っちゃっていいよ」

「そんなこと言わないよ!だって幸也君の母校だもん」

「そっか。あそこに見えるのが俺たちが練習していた体育館だよ」

「あそこで幸也君は頑張ってたんだね!」

「あの頃の練習はキツかったなぁ〜」



「あれっ?ひょっとして幸也?幸也だよな??」


突然名前を呼ばれ、驚いて振り返ってみたら驚愕してしまった。


「北斗に健太、颯、空、海斗…」


「バカヤロウッ!俺達に何も言わないで勝手に県外の高校に行くんじゃねぇよ!お別れができなくて俺達は悲しかったんだぞ!!しかも、帰ってきたと思えばこんな美少女捕まえているとか羨ましすぎだコンチクショー!」


「幸也君、この方達は?」

「あぁ、こいつらは中学時代のチームメイトだ」

「そんだけじゃないだろ!俺達は親友だろ!」

「あ、あぁそうだな。こっちにいるのは俺の学校のクラスメイトの橋本花蓮さんだ」

「はじめまして!」

「はじめまして。よろしく!それで幸也はそっちでもバスケ続けてるんだろ?話聞かせてくれよ!」


「えーっと…」

「そのことでしたら私からお話しさせていただきましょう。幸也君は……」




ドカッ


「あの時のことは幸也のせいじゃねぇよ!本当は痛めてたことはここにいる俺達は気が付いていたんだ。だが、幸也なら大丈夫って思って黙っていたらまさかそこまで痛いとは思わなかったんだ。だから悪いのは俺達なんだ。それに誰も『お前のせいで』とか思ってない!お前のおかげであそこまで行けたんだ!俺達は幸也に感謝してるし、尊敬もしてるぞ!だからお前は自分を否定しないでくれ!そしてまたバスケをしてくれよ!また一緒にバスケがしたいよ!これからは悩み事があるならもっと早く相談しろよ?俺達は親友なんだから!」


「「「そうだぞ幸也!!!」」」


「み、みんな。あ、ありがとう!そして黙っててゴメン」


俺達は久しぶりの再会と共に想いを打ち明けて抱き合いながら泣いた。それはもう、赤ちゃんが泣く以上に泣いただろう。



「これからどうするんだ?」

「またバスケは始めるよ」

「なら良かった。これからは悩み事とかあったら連絡しろよ?それからまた一緒にバスケしようぜ!それにみんなで集まって前みたいに馬鹿騒ぎしながら遊ぼうぜ!幸也が戻る日を教えてくれたら何がなんでもみんなで予定を空けるから一緒に遊ぼうな!」

「うん!これからはちょくちょくと連絡を送るし、また馬鹿騒ぎしながら遊ぼうな!これはこれからの約束だぞ!」


「「「「おう!!!!当たり前だ」」」」


ー帰省してきて本当によかった。家族にも話せたし、みんなとも想いを打ち明けられた。みんなの気持ちを聞いたら頭痛の種だったものが無くなったように感じた!これでしっかりとバスケができたら最高だなー


「ところで二人は付き合ってるの?」

「いえ、まだ付き合ってません」(ボフッ)

「付き合ってねぇよ、てかみんなそれ聞くけど俺なんかじゃダメだろ」

「だからダメじゃないもん」ボソッ

「あ〜なるほどね。橋本さん、こいつは自分の事になると凄く鈍感だから色々と頑張って!応援してるから」

「北斗、それはどうい「ありがとうございます!頑張ります!」えっ?花蓮さん?ほんとどう言う事なんだよ……」


「「幸也(君)は分からなくていい」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

こんにちは春幸夜空です。


遂に幸也のトラウマである元チームメイトと遭遇しちゃいました。が、花蓮さんのおかげで想いを打ち明けられ、抱き合いながら泣き、トラウマが消えていくことができてよかったですね!私も思わず涙が……

ここからさらに物語が進展していくつもりで頑張ります!


面白かったり、早く続きが読みたいと思っていただけたら作品のフォロー、コメントや☆、レビューをしてくださると嬉しいです♪ レビューが欲しいw

誤字訂正等もありましたら教えていただけるとありがたいです。


※次の更新は1月4日以内の予定です。それでは読者の皆様、良いお年を!

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