第11話 過去の出来事と帰宅

「「幸也君。先程の(さっきの)聞きたいこと聞くよ!!」」




「さっきの話ってなんだ?」

「そんなの決まってます。幸也君がなぜバスケをしたら頭が痛くなるのかの理由やU15に選ばれたぐらいの実力を隠していることです」

「そうそう」


「徹。なんで一番言ってはいないことをこの2人に話してしまったんだ…」


「それは本当にごめん。何回も聞かれていてすごく心配そうにしてたから話しちゃった」

「は〜 まぁいいか。聞いてもいいけどすごくつまらないよ?」


「「全然かまいません(いいよ)」」





俺は2人に過去を話す。

神奈川県2位のチームのキャプテンであったこと、徹とは決勝戦で闘ったことがあったこと、自分の怪我を黙ったままプレーを続け、同点シュートを外したこと。周りは表では『どんまい』や『仕方ない』、『お前はよく頑張ってくれた』と言っていたが裏では『あいつのせいで』とか言ってそうだと思ってしまいバスケをすることにトラウマになってしまったことを話す。このトラウマから頭痛がするようになったのだろうという仮説も話した。

そんな話を黙って聞いてくれていた2人に話し終えて気が付いた。2人とも涙を流していたのだ。



「幸也君が可哀想すぎます」

「ほんとだよ」



「2人ともそう言ってくれてありがとう。このことが原因でバスケを続けることはないだろうと思ったけど、なぜか2人のために徹とバスケをすることに全く抵抗はなかったんだ。そのことに俺は心から驚いたよ」


「俺はいつまでもお前と一緒にバスケができることを待っているぞ」


「私と莉緒も2人がバスケをするところは見たいな。実は私、スポーツ観戦が好きなんだけど、その中で一番バスケが好きなので」


「みんな、ありがとう」



「それでそれでU15のことは?」

「それは俺も気になるな」


「それについては簡単だよ。徹、決勝戦の時の俺のオフェンスはどうだった?」

「そんなの聞かなくてもわかるだろ。めちゃくちゃ凄かったよ」


「俺はオフェンス力があるということでU15に呼ばれたんだ。ディフェンスもそこそこできるようだったからね」

「たしかにあれは戦力として欲しいわ」


「そんなに凄かったんだ。試合には出たの?」

「たしか、9試合やって7試合スタメンだったかな」


「「「えっ!?それは凄すぎ!!!」」」


「まぁ、俺のつまらない昔話はこれで終わりだ。ちょうど注文したものが届いたようだし他の話題に変えないか?」

「じゃあせっかくグループRhein作ったんだから近々遊びに行こうよ」


「「「賛成!!!」」」




それから俺達は遊びに行く話や部活動何にするかなどたくさん話していた。

気が付けばもう17時だった。

「そろそろいい時間だし今日は解散しようぜ」

徹の発言により今日は解散となった。


「俺は電車で二駅先なんだけど他に電車使う人いる?」

「あたしも使う!一駅先だけどそっちのほうが近いから」

徹と莉緒さんが電車組で、俺と花蓮さんが徒歩組でちょうど2:2で帰ることとなった。


「幸也、花蓮さんまた明日。しっかり送るんだぞ」

「わかってる。そっちこそ莉緒さん送ってけよ。2人ともまた明日」

「じゃーね、花蓮、幸也君」

「また明日。渡辺君、莉緒」

俺と花蓮さんは徹と莉緒さんを改札口まで見送る。


「さて、花蓮さん。帰ろっか」

「そうですね」

「どっち方面?」

「ここら辺が家です」

「俺ん家から近くないか?俺はここだよ」

「ほんとですね。と言うか同じマンションではないですかね」

「ほんとだ。それから言い忘れてたけど俺にはタメ口でいいからね」

「はい。えっとわかったよ!」

俺と花蓮さんは家に向かう間もずっと話しながら歩いていた。






「俺の家、4階の404号室だから一番端なんだ。花蓮さんは?」

「ウソ、私は幸也君の隣で403号室だよ」

「まじかよ。すごい偶然だな。とりあえず花蓮さん、また明日ね」

「うん。また明日!あと、明日幸也君のお家に行ってもいい?お礼に夜ご飯作ってあげたいから」

「えっいいの?嬉しいけど申し訳ないよ」

「私がしたいことなので全然大丈夫だよ。それに今私も一人暮らしなので門限とかもありません!」

「じゃあお願いしようかな。1人なら明日、俺の家で一緒に食べないか?」

「いいの?」

「作ってもらうんだから全然かまわないよ」

「じゃあ、一緒になるね」

「うん。じゃあ花蓮さんまた明日」

「幸也君、また明日」





明日の夕飯が早くも待ち遠しいな



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