第10話 幸也、気を失う

「ゲームセットだ」

幸也、徹ペアは見事に逆転勝利を収めることとなった。





『おぉ すげえ』


『超カッコよくない?』


『てか、U15って凄すぎだろ』

周りも俺のラストプレーに痺れたのかすごい騒ぎだ。


「俺たちの勝ちだ。今回は花蓮さん達と予定通りに遊ぶから邪魔するなよ」


「「クソッ。陰キャがイキッてられるのも今のうちだけだからな」」


佐川と滝川は捨て台詞を吐きながら去ってしまった。周りから白い目で見られてるのにも気付かず。

そしてクラスメイト達も試合が終わったので解散して行った。


「お疲れ様です。そして勝ってくれてありがとうございます」


「おつかれ〜 2人ともカッコよかったよ」


花蓮さんと莉緒さんのところに戻ったらすぐに声をかけてくれた。


「おう。意外とやる奴だったがなんとか勝てたな、幸也」


「……そうだな。俺が最初の方に足を引っ張らなければもっと楽だっただろうけど。それと、応援ありがとう。正直に言うと一回諦めそうになったんだ。でも花蓮さん達の応援が聞こえたからなんとか頑張って勝てたよ」


「応援することは当たり前です」

「そうだよ。でもまさか一回諦めそうになってただなんて気づかなかったよ。最初の方、どうしたの?それにU15ってどう言うこと?」


「最初の方は…クッ」

俺は試合中に耐えてた頭痛が今頃になって痛み、呻き声を出してしまった。


「ちょっと大丈夫?」

「おい。だから無茶だけはすんなと言ったんだ」


「………ごめん。ちょっと無理そう」

「幸也君!しっかりしてください。どうしたんですか」

俺がそう言うと視界が暗くなった。それと同時に花蓮さんの声が聞こえた直後に気を失った。





「幸也君。幸也君。大丈夫ですか?渡辺君。『だから無茶だけはすんなと言ったんだ』ってどういうことですか?」


「俺からは詳しく言えないが、あることが原因でこいつはプレー中ずっと頭痛がしていたらしい。それで最初の方はズタボロ。だけれど2人の応援のおかげで頭痛しながらもプレーができるようになっただけだったが、気を抜いたことであまりの痛さに気を失ったのだろう。詳しいことはこいつが起きてから喫茶店で聞いてくれ」

「わかりました」







それから約10分後


「う〜ん。俺は気を失っていたのか?」

「ハッ、幸也君起きましたか?今、莉緒と渡辺君は自販機に行きました」

「花蓮さん、俺はどのくらい気を失ってたの?」

「10分前後ぐらいだと思います。もうすぐ2人も戻ってくると思うので喫茶店に行きましょう。あっ、2人が帰って来ましたよ」


「幸也、気が付いたか」

「幸也君、大丈夫?」


「ごめん、2人とも。花蓮さんにも言ったけどもう大丈夫だ。喫茶店に行くらしいな。俺が気を失ってたから少し遅くなったが早く行こうぜ」


「「幸也君。いろいろ聞きたいことがあるから喫茶店で話してくださいね」」


「おっおう。わかった」

なぜか女子2人にそう言われてなぜだろうと思ったが徹が苦笑いをしていることからこいつが何か余計なことを言ったな。


「おい、徹。なんか喋ったな。今度ジュース一本な」

「察しが良すぎんだら。まぁ今回は俺が悪いから奢ってやるよ」

俺達は学校から喫茶店に行くために歩き始めた。






喫茶店は家から近い駅の近くにあった。

「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか」

優しそうな女性ウエイトレスさんが注文を聞きに来た。


「「この、ジャンボ苺パフェ二つにミルクティー2つください」」


「はっはい。かしこまりました。そちらのお二人は何になさいますか?」


ー女子2人がものすごい勢いで注文するからウエイトレスが少し怯えているじゃねぇかー


「俺はカフェオレで。幸也は何にする?」

「あっ、俺も同じので」


「かっかしこまりました。ご注文内容はジャンボ苺パフェ二つにみるが二つ、カフェオレが二つですね。そ、それでは少々お待ち下さい」


怯えながらも注文内容を確認するウエイトレスに少し申し訳なかった。

そんなことを思っていたその時












「「幸也君。先程の(さっきの)聞きたいこと聞くよ!!」」







どうやら俺に聞きたいことがあって早く注文したみたいだ。





ーさっきのウエイトレスさん。本当にすみませんー





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