やらかさなかったと女神様に怒られた

エンド

私は消滅を望みます

第1話

「皆ありがとう......とても幸せな人生でした」

 

 確か......この言葉を最後に意識が遠ざかった筈なのですが......。


 眼を覚ますと、私は広大で真っ白な空間にいました。

 

 なんとなく見覚えがありますね?

 少し記憶を探ると私はすぐに思い出しました。

 

「久しぶりですねカイン」


 やはり私の想像通りだったようです。


「お久しぶりです女神様。...やはり私は死んだのですね?」

「そうです、あなたは二度目の人生を終えました」


 やはりこの場所は、かつて私がこの女神様に転生をさせて頂いた場所のようです。


 女神様のいう通り、私は世間で言う処の転生者でした。

 元は日本という国に住む高校生という学生でしたが、病弱な身体であり年若く命を落としてしまいましたが、この場所で女神様に出会い転生をしないかと持ちかけられたのです。


 人生とは一度だけのものです。

 それに、私は短い生涯でしたが納得できる生涯を送りました。

 そもそも女神様に転生させて貰う必要等ありませんし、どう考えても胡散臭さを感じ――当然初めは断ったのですが......女神様の強い説得を受けて二度目の人生を始める事にしました。


 そして現在、私は二度目の人生を終え、再びこの部屋で女神様と対面しています。

 正直、私は神と言うものに感謝等したことはなかったのですが......私は頭を下げて女神様に言います。


「二度目の人生をありがとうございました。とても幸せな人生でした」


 二度目の人生。

 気乗りせず始めた人生でしたが、今の私の心境は感謝の気持ちでした。

 本当に、あの時、強く説得してくれた女神様には感謝の気持ちしかありません。

 畑を耕し、食事に困らず、妻をめとり、子供が産まれ、孫が産まれて家族に看取られ生を終える。

 本当に幸せな人生でした。


 私はもう一度、感謝を込めて頭を下げたのですが......


「本当に......その通りでしたね」


 サラリと伸びた長い金髪。見る者全てに慈愛を感じさせる美貌。そんな神性さをかもし出す女神様は、何故か......呆れ? 戸惑い? そんな感じの様子を見せました。

 私は女神様が、なぜそんな様子を見せるかわからず黙って様子を伺っていたのですが......。

 

 ポツリと


「チートあげましたよね?」


 ジト目の上目遣いで問うて来ました。

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