第1話[超能力バトル]

第一回戦は、修道院マリアとデッドの戦い。

お金持ちのお嬢様対スラム街出身のデッド。

観客が大いに盛り上がる中、開始の合図と共に、デッドが仕掛けた。

ゲートが開き、そこに銃を突きつける。

その瞬間。

デッドの精神は汚染され、震える手で銃を自分の頭に突きつけた。

そんなデッドを見て、運営側が慌てて動き、デッドを取り押さえ、医務室へ運ぶ。

戦いはあっという間に決着し、マリアは欠伸を手で押さえ、自分の控え室へ戻って行った。


「あれがマリアちゃん。」

「すごいなぁ、あの強そうなデッドさんを触れずに倒す何て、本当にすごい。」

「やっぱり、Sランクの人は凄い人ばかりだな。」


春夏は感心しながら、自分の番が来るまで試合を観戦する。


総当たり戦のバトルは続き、マリアも狂華も春夏も順調に勝ち星をあげていく。

そして、狂華と春夏の戦いが始まる。

春夏と向き合った狂華が春夏に一礼をする。

春夏も慌てて頭を下げ、そして構えた。


冬秋春夏殿、彼女の能力は鉄壁。

如何なる能力も効かず、体は鉄の様に硬い。

噂によると水の中でも呼吸ができ、火の中でも平気だとか…。

本来なら体力温存の為に、棄権すべきだろう。

実際、他のSランクの人達も、棄権している。

無謀な戦いに挑むより、着実に勝ち星を上げランキング上位を狙う方が給料的にもいい。

だが、私はそんな大人達とは違う。

こんな絶対的強者、挑まずにはいられない。

決して私がMだからでは無い。

私は名門白川家の武人なのだ。

それに、降参すると春夏殿が悲しい表情を浮かべてしまう。

中学時代のトラウマなのか…。

武人として、美少女を悲しませる訳にはいかない。

狂華は刀に手をやり、開始の合図と共に動き出した。

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