第13話

それでも俺は何とか、その日暮らしの生活を頑張って送り続けていた。なるべく高齢化率が高そうな街や人口が少ない市町村を探して移転を繰り返した。


そんな生活を数ヶ月ほど送っていた頃、不起訴処分に対する不服申し立てが棄却されたという情報が耳に入ってきた。晴れて俺は法律上、改めて無罪となった。


しかし、その事実をマスコミが報じたのは限られた局で、しかも数秒程度の報道だけだった。だから、多くの人に無罪放免となった事実は知らされていないと同じ状態だった。



『このままでは俺はずっと社会のクズ・殺人犯としてのレッテルを貼られたまま生き続けるハメになってしまう。それだけは、絶対に避けなければならない。』

俺は社会に対して無罪放免になった旨を発信すべく再び、動画サイトに動画を投稿した。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る